2020/09/07 12:44 ウェザーニュース
台風10号がもたらした被害をまとめます。
台風が近かった九州(主に長崎や佐賀)はもちろん、山口県でも「経験したことない暴風」の割合が多くなっています。
ウェザーニュースに届いた被害報告でも、「経験したことない暴風」という回答の割合が高かったエリアで、実際に被害があったと報告されています。
▼最大瞬間風速 [6日(日)〜7日(月)10時まで]
1位 野母崎(長崎県) 59.4 m/s
2位 南大東島(沖縄県) 50.7 m/s
3位 鰐浦(長崎県) 48.9 m/s
佐賀(佐賀県) 41.6 m/s
佐世保(長崎県) 41.6 m/s
停電被害についての調査では、山口県内で「完全に停電した」という報告が見られます。豊後水道を吹き込んだ風によるものと考えられ、地形的な影響が無視できないことがよくわかります。
▼24時間雨量 [6日(日)〜7日(月)6時までの最大値]
1位 神門(宮崎県) 522.5 mm
2位 えびの(宮崎県) 477.5 mm
3位 椎葉(宮崎県) 439.0 mm
日本の南海上を進む台風の目が崩れ、二重化したことで一度勢力がダウンしました。その後、台風の進路にあたる九州近海の海水温が予想時に比べて低くなったため、接近時の台風の勢力は当初想定されたものよりも下がった状態となりました。そのため、影響も抑えられたと推測されます。
■河川が溢れなかった
接近前日時点で、一級河川の氾濫も危惧されるなど、河川氾濫による浸水被害等が懸念されていました。しかし、ダムの放流を事前に行うなど社会インフラによる対策の成果もあり、河川氾濫には至りませんでした。
■対策・避難に対する意識
想定より弱かったとは言え、接近時には945hPa、最大瞬間風速60m/sと多くの被害が出てもおかしくない台風でした。しかし、被害が最小に抑えられているのは、社会全体が対策および事前の避難等の準備をしっかりと行えていたことも大きな要因と考えられます。
過去の災害から学び未来に繋げていくことが、減災のあるべき姿と言えるかもしれません。
また、台風の接近が多くの人の生活時間帯ではなく夜中だったことも、被害が少なかった理由として挙げられます。
2020-09-07 03:44:00Z
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