米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は9日の上院委員会で、英アストラゼネカが新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を中断したことについて、「脊髄の問題」が理由だと証言した。
ワクチン開発で先行しているアストラゼネカとオックスフォード大学は試験の参加者1人に疾患が生じ、安全性データを検証するため試験を中断した。
コリンズ所長は上院厚生教育労働年金委員会で、問題となっている有害事象は脊髄の炎症を起こす神経障害である横断性脊髄炎(TM)だと指摘した。アストラゼネカの検証でこの有害事象がワクチンと関連していることが分かれば、既に製造されたワクチンは全て廃棄されるとも語った。
コリンズ所長は「まず安全性を重視しており妥協はしないとわれわれが語るのを聞けば、誰もが安心するはずだ」とした上で、「これは1件の有害事象に基づき、それがワクチンと関係があるかないか分からないが、何か懸念すべき証拠があれば直ちに中断し、確認するという慎重なアプローチの最善策だ」と述べた。
アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は9日午前に投資家に対し、英国の女性1人にTMと呼ばれる神経系の疾患が発現し始めたため同社のワクチン試験は全世界で中断されたと説明した。
医療関連ニュースを専門とするSTATの報道によると、女性は回復しつつある。診断は確定していないという。中枢神経系の問題が生じたのは2件目となるが、神経障害の最初の症状は多発性硬化症が原因とみられ、ワクチンとの関連はないと考えられたとSTATは伝えた。
アストラゼネカは来週、臨床試験を再開する可能性があると、英紙フィナンシャル・タイムズが事情に詳しい複数の関係者を引用して報じている。
原題:
AstraZeneca Study Halted After Spinal-Cord Issue, NIH Chief Says(抜粋)
2020-09-09 22:19:00Z
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