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企業が開発した民間の宇宙船としては世界で初めて運用段階に入る、「クルードラゴン」の1号機が、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人を乗せて、フロリダ州から日本時間の午前9時27分に打ち上げられ、宇宙船は予定した軌道で分離されて、打ち上げは成功しました。宇宙船はこのあと日本時間の17日午後1時ごろに国際宇宙ステーションにドッキングする計画で、宇宙の商業利用が本格化する時代の始まりとして注目されています。
野口さんたち4人を乗せた宇宙船を搭載したロケットは、オレンジ色の光を放って大きな音を立てながら発射台を離れ、夜空を宇宙に向かって上昇しました。
打ち上げからおよそ10分後、宇宙船がロケットから分離される前、宇宙船内の様子が映されると、野口さんは落ち着いた表情で操作にあたっていました。
すでに宇宙空間に到達していて、船内では物が宙に浮いてゆっくりと揺れている様子も見られました。
宇宙船が予定した軌道でロケットの2段目から切り離されると、地上の管制室では、スタッフが拍手をして打ち上げの成功を喜んでいました。
「クルードラゴン」はNASA=アメリカ航空宇宙局の支援を受けて「スペースX」が開発したもので、民間の宇宙船としては世界で初めて運用段階に入り、アメリカと宇宙ステーションとの間を往復します。
「クルードラゴン」は17日、国際宇宙ステーションにドッキングする計画で、10年ぶり3回目の宇宙飛行となる野口さんは、宇宙ステーションにおよそ6か月滞在し、科学実験などを行うことになっています。
今回の1号機には、新型コロナの感染拡大など困難な状況に打ち勝つという意味を込めて、野口さんらが英語で「回復する力」を意味する「レジリエンス」という船名をつけています。
「クルードラゴン」は一般の人も乗ることが計画されていて、今回の打ち上げは宇宙の商業利用が本格化する時代の始まりとして注目されています。
野口さんはこれまでに「スペースシャトル」と「ソユーズ」に搭乗していて、今回で3つの異なるタイプの宇宙船に搭乗する初めての日本人飛行士になりました。
野口さんの妻「今までの苦労が昇華」
野口さんが乗った宇宙船の打ち上げが成功したことを受けて、妻の美和さんはJAXAを通じてコメントを公表し、「厳しい状況下で、チームは努力と工夫を重ねて訓練を続けてきました。レジリエンスの打ち上げは明るく迫力満点で、今までの苦労が昇華されるような気持ちになりましたし、この一歩を踏み出せたことに感謝しています。仕事にまい進し、引き継がれてきた技術、精神、そして希望をしっかり次世代に繋げるよう、成果を持ち帰ってくることを期待しています。今後とも応援、ご支援、よろしくお願いいたします」としています。
2020-11-16 01:51:00Z
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