政府は22日、新型コロナウイルス対策を強化するため新型インフルエンザ対策特別措置法と感染症法、検疫法の改正案を閣議決定した。営業時間短縮や休業の要請に従わない飲食店などに命令を出せるようにし、違反した場合の罰則を設ける。入院を拒否した新型コロナ患者への刑事罰も導入する。
政府・与党は国会で2020年度第3次補正予算案が成立した後、改正案を審議し、2月初旬の成立を目指す。罰則を巡っては野党から「重すぎる」との意見があり、修正も含めて協議する。
特措法改正案は緊急事態宣言を発令した後、都道府県知事が飲食店などの事業者に時短や休業を要請しても従わない場合、これまでの「指示」に代えて「命令」を出せるようにする。命令に従わない場合は50万円以下の過料を科す。
宣言を出す前の段階でも感染拡大のおそれがある場合は「まん延防止等重点措置」という新たな対策を講じる。宣言下と同様に知事が時短や休業を命令できるようにし、違反者には30万円以下の過料を科す。過料は金銭的な制裁を加える行政罰の一つで前科はつかない。
時短や休業に協力した事業者への支援策を特措法に明記する。国や地方自治体は「必要な財政上の措置を効果的に講ずる」と定める。政府が飲食店などを対象に実施している1日最大6万円の協力金のような支援策に法的な根拠を持たせる。
これまでは宣言を発令した際にしかできなかった臨時の医療施設の開設は、宣言が出ていなくても実施できるようにする。
同時に決めた感染症法改正案は、入院や保健所の調査を拒否した人への罰則を新設する。入院を拒否したり、入院先から逃げ出したりした人には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」とする。保健所が感染経路を確認するための調査で回答拒否や虚偽の申告をした場合も「50万円以下の罰金」を設ける。いずれも前科がつく刑事罰になる。
病床を確保するための規定も設ける。厚生労働相や知事は医療機関などに感染者の受け入れを「勧告」できる。これまでは協力の「要請」にとどめていたが、権限を強める。正当な理由なく従わない場合は公表できる。
菅義偉首相は20日の衆院本会議で「与野党の意見を聞く」と答弁し、与野党の修正協議に理解を示した。立憲民主党の枝野幸男代表は「懲役刑まで設けるのは容認できない」と主張している。
政府は22日に与野党との協議会を開き、改正案の内容を説明する。入院拒否者への罰則規定を中心に、週明けにも与野党が修正協議に入る見通しだ。
2021-01-22 00:30:00Z
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