二十四日投開票の知事選について、本紙が十五〜十七日に実施した電話による世論調査の内容を詳報する。次の知事に最も力を入れてほしい政策や課題では「新型コロナウイルス対策」と回答した人が三割余に上り、最多に。県内でも感染拡大が続く中、有権者の関心の高さが表れた。五十四年ぶりとなった「保守分裂選挙」については、四割近くが「選択肢が増えた」と評価した。 (立石智保)
最も重視する取り組み 「医療・検査体制充実」37%
次の知事に力を入れてほしい政策や課題は、新型コロナ対策が33%と最も多く、「医療・福祉」が23%、「産業振興・観光・雇用」と「教育・子育て」がいずれも11%で続いた。
新型コロナ対策と答えた人のうち、六割強が現職の古田肇さん(73)、一割強が新人の元内閣府大臣官房審議官、江崎禎英(よしひで)さん(56)を支持した。
また、新型コロナ対策で最も重視する取り組みは「医療・検査体制の充実」が37%で最も多く、「感染防止策の強化」が31%、「経済・産業・雇用対策」が13%、「生活困窮者への救済」が10%−などと続いた。
「何を最も重視して投票する候補者を決めるか」では、「行動力・リーダーシップ」が30%で最も多く、「経験・実績」(23%)「公約・政策」(16%)「若さ・清新さ」(9%)などとなった。
古田さんの県政運営については「大いに評価する」が10%、「ある程度評価する」が68%、「あまり評価しない」は15%だった。
知事選への関心は「大いにある」が26%、「ある程度ある」は48%で、有権者の高い関心が示された。
54年ぶりに保守分裂 「選択肢増えた」37%
今回の知事選では古田さんと江崎さんの支持を巡り、自民党県連に所属する国会議員や県議が分裂。一九六六(昭和四十一)年九月以来、五十四年ぶりの「保守分裂選挙」に突入している。
この状況について聞くと、「選択肢が増えた」と評価する人が37%に上った。一方で「どちらでも構わない」との回答が49%を占めた。「候補者を選挙前に一人に絞るべきだった」は12%。「選択肢が増えた」と答えた人のうち、四割近くは江崎さんを支持し、古田さんと拮抗(きっこう)した。
投票先の選択で50%が多選を考慮。「大いに考慮する」と答えた人の五割近くが古田さん、四割が江崎さんを支持。「ある程度」とした人は、五割強が古田さん、二割強は江崎さんを選んだ。
地域別では、大票田の岐阜市や大垣市などで五割前後をまとめるなど古田さんが県内全域に幅広く浸透している。
支持政党は 自民49% 立民7%
支持政党は、自民が49%で、立民7%、共産、公明がいずれも3%だった。
自民県連が分裂した今回の選挙。県連は、候補への推薦を見送り、事実上の自主投票に。県議会最大会派「県政自民クラブ」は古田さん、江崎さんに推薦を出している。
調査では、古田さんは自民支持層の六割強をまとめ、江崎さんは自民の二割強から支持を受けている。また、公明党支持層では、古田さんが五割近くに浸透し、江崎さんは三割をまとめている。
江崎さんは立民支持層の五割強に食い込み、新人で新日本婦人の会県本部会長の稲垣豊子さん(69)=共産推薦=は、共産支持層の七割強をまとめた。「支持政党なし」層の四割近くは古田さん、二割強は江崎さんを支持した。
古田さんは幅広い世代で支持を集めている。江崎さんは中高年層に比較的浸透。県知事選史上、女性初の立候補者となった稲垣さんは、女性の一割近くをまとめている。新人で元県職員の新田雄司さん(36)は支持拡大に努めている。
調査の方法=岐阜県の有権者を対象に一月十五日から十七日までの三日間、コンピューターで無作為につくった電話番号にかけるランダム・デジット・ダイヤリング(RDD)法で実施。実際に有権者がいる世帯にかかったのは千三百八十二件で、このうち千三十一人から有効回答を得た。回答率は74・6%。
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