魚津市沖の富山湾で13日、蜃気楼(しんきろう)の通年観測が始まった1993年以降、最も早く春型蜃気楼が出現した。魚津埋没林博物館によると、13日朝から吹き込んだ暖かい南風と、海上の冷たい空気との温度差から発生したとみられる。
春型蜃気楼は実際の風景の上側に伸びたり反転したりする虚像が出現する。昨年の初観測は3月19日で、2月の観測は2010年2月24日以来となる。
蜃気楼は午前8時半ごろに射水市から富山市方面にかけてわずかに確認された。その後、新湊大橋などに大きな伸びや明瞭な反転がみられるようになった。当初の鮮明度ランクは5段階中最低のEだったが、同11時20分ごろCに変わった。
魚津埋没林博物館によると、12日夜は気温が低く、海上の空気が冷やされた。13日朝、暖かい空気が冷たい空気層の上に入り、風などの条件が整ったことで蜃気楼が発生したとみられる。春型蜃気楼は3月下旬から6月上旬にかけて観測されることが多いが、気象条件がそろえば季節を問わず観測できる。
海の駅蜃気楼周辺で観測していた魚津蜃気楼研究会員の髙山洋昭さん(80)=魚津市吉島=は「2月の蜃気楼は初めて見た。1月に大雪があり、きょうは暖かく、予報では17日からまた雪が降るという複雑な天気で、変な年だ」と話した。14日も観測できる可能性があると指摘し、双眼鏡があると一般の人でも確認しやすいという。
同博物館によると、昨年は3月19日から10月28日にかけて計26回観測された。
★蜃気楼 大気中で光が屈折し、虚像が見える自然現象。春型蜃気楼は実際の風景の上側に伸びたり反転したりすることから上位蜃気楼と呼ばれる。11月~翌年3月に多い冬型蜃気楼は、実際の風景の下側に反転した虚像が見え、下位蜃気楼と呼ばれる。昨年3月、魚津市の「魚津浦の蜃気楼(御旅屋跡)」が国の登録記念物(名勝地関係)に登録された。
春の陽気、立山鮮明 伏木19.9度、富山19.4度
13日の富山県内は高気圧に覆われて晴れ、気温が上がった。最高気温は高岡市伏木で19・9度、富山市中心部で19・4度など、全10観測地点で今年最高を記録し、4~5月並みの陽気だった。
富山市の県総合運動公園では、青空に立山連峰の白い稜線(りょうせん)がすっきりと浮かぶ中、子どもたちが思い思いに遊具を楽しみ、歓声を上げた。
富山地方気象台によると、14日の県内は高気圧に覆われるが次第に気圧の谷や湿った空気の影響を受け、晴れで、夕方から曇りとなる見込み。日中の最高気温は東部18度、西部17度と予想している。
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