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Tuesday, February 2, 2021

ロシア反体制派ナワリヌイ氏に実刑 米独など非難声明 - 日本経済新聞

ロシア反体制派ナワリヌイ氏に実刑 米独など非難声明 - 日本経済新聞

2日、モスクワの裁判所で審理を見守るナワリヌイ氏=ロイター

【モスクワ=石川陽平】ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の詐欺事件を巡り、モスクワの裁判所は2日、2014年の有罪判決の執行猶予を取り消し、懲役3年6月の実刑に切り替えるとの決定を下した。この決定直後、モスクワでは支持者が抗議行動を再開し、米独外相らは同氏の即時釈放を求める非難声明を出した。

裁判所の決定が下されると、ナワリヌイ氏の弁護士は記者団に、直ちに控訴する考えを示した。弁護士によると、すでに自宅逮捕されていた期間などを除いて、実際の服役期間は2年8カ月になる見通しだ。

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審議が始まった2日午前から、裁判所の近隣でナワリヌイ氏の支持者が抗議集会を開いた。人権団体によると、モスクワで350人以上が治安当局に身柄を拘束された。ナワリヌイ氏陣営は裁判終了直後にも支持者に抗議運動を呼びかけた。これに対して治安当局はモスクワ中心部を事実上、封鎖し、新たに多数の拘束者も出ている。

プーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)に立つナワリヌイ氏を巡っては、同政権が毒殺しようとした疑惑がある。療養先のドイツから1月17日に帰国した直後、モスクワ郊外の空港で司法当局に身柄を拘束された。同18日には30日間の勾留が決まった。

17日の拘束は、連邦刑執行局が要求した。ナワリヌイ氏は14年にフランス系化粧品会社を巡る詐欺事件で弟とともに有罪判決を受けた。執行猶予付きの有罪判決だったが、連邦刑執行局は同氏が執行猶予中に出頭義務を繰り返し怠ったとして、実刑への変更を要求した。これを裁判所が2月2日に認めた形だ。

ナワリヌイ氏は14年の有罪判決について、政治的な動機にもとづく「でっち上げだ」と強く反発している。欧州人権裁判所(仏ストラスブール)は17年、有罪判決には根拠がないとの判断を示した。同氏の弁護士は欧州人権裁判所の判断が無視されたとして、欧州の閣僚委員会に訴えると述べた。

ロシアの司法は独立性に欠けるとの指摘がある。ナワリヌイ氏を実刑にするかどうかについての裁判所の判断には、プーチン大統領ら政権の意向が反映されたとみられる。プーチン氏は20年12月、ナワリヌイ氏を「米特殊機関の支持を受けている」と批判していた。

実刑が決まった直後から、欧米の批判が相次いだ。ブリンケン米国務長官は声明で「ロシア当局の決定を強く懸念する」と述べ、ドイツのマース外相も即時釈放を求める声明を発表した。欧州連合(EU)のミシェル大統領はツイッターに「我々は判決を受け入れない。司法は政治化されてはならない」と書き込み、ナワリヌイ氏の即時解放を求めた。ロシアに対する追加制裁が検討される可能性がある。

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2021-02-02 20:07:41Z
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