米金融大手JPモルガン・チェースが株価がどれだけ割高かを測る指標などを基に集計した「クロスアセット慢心度指標」で、世界の投資家は過去20年間で最も恐れを知らず、恐らく最も強欲になっていることが分かった。16日までにまとめた最新の指標はインターネットバブル破裂時以来の高水準に近づいているという。
この一獲千金の精神は今年、5万ドルに迫るビットコイン急騰、大麻株への熱狂、超低位株をめぐる投機の争いなどに既に表れている。世界の株式市場には年初来で7兆ドル(約737兆円)が流入、仮想通貨の時価総額は1兆4000億ドルに膨らみ、ハイイールド債の発行は記録を更新している。
こうした状況がさまざまな資産クラスのバリュエーションを持続不可能なものにしているとの懸念もあるが、投資家は金融と財政による大規模な支援がまだしばらくは価格上昇を支えると信じて資金を注ぎ込み続けている。
JPモルガンのストラテジストらも楽観にくみし、「一服はあっても上昇相場の大幅な逆転はない」との見方だ。想定し得る主要なリスクは雇用とインフレが目標水準に戻った時点での米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の縮小だが、それはまだ先になる公算が大きい。
ジョン・ノーマンド氏らストラテジストはリポートで、「ほとんどの市場でロングポジション(買い持ち)を維持するよう顧客にアドバイスすることに不安はない。成長がトレンドを上回っている中で金融政策は超緩和的、財政政策は過熱状態だ。市場はニュートンの運動の法則、つまり別の力によって妨げられるまでは動き続けるという法則に従いがちだ」と指摘した。(ブルームバーグ Cecile Gutscher)
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