
新型コロナウイルスの高齢者へのワクチン接種が、東京都内で最も早く世田谷区と八王子市で12日から始まりました。
このうち八王子市は、都内の市町村で高齢者の人口が最も多く、先着順で予約を受け付けた1900人に対し、8日間にわけて接種が行われます。
接種する人は密集しないように、30分刻みにあらかじめ指定された時間に会場を訪れ、会場の市役所1階のロビーでは午前9時すぎから受け付けが行われました。
会場では、医師が体調などを確認する問診と、ワクチンを接種するスペース、それに接種後に待機するスペースが設けられ、順次、高齢者がスペースを移動しながら接種を進めていました。
八王子市によりますと、この日予定されていた250人のうち、2人が連絡がなく会場に訪れなかったことから248人が接種し、接種した人に「アナフィラキシーショック」などの副反応が見られた人はいなかったということです。
八王子市の石森孝志市長は「今回の“第一弾”は、あっという間に予約が埋まり多くの市民が接種を希望していることが分かった。八王子市ではワクチンが届けば週に4万回接種できるような体制を整えているので、供給元の国には、早くワクチンを届けてほしい」と話しています。
1番目に接種を受けた74歳の男性は「ワクチンが接種できてありがたいです。もう少し痛いと思っていましたが、特に痛みはなく体調に変化もありませんでした」と話していました。
また、孫に予約を取ってもらったという80歳の女性は「ふだん病院に通うのに満員のバスや電車を利用するので、無事に接種ができてほっとしていますが、まだ多くの方が受けられていないと思うと申し訳ない気持ちもあります」と話していました。
【八王子市 次回予約は5月2日から】
八王子市の石森孝志市長は、今後のワクチン接種のスケジュールについて、次の予約受け付けは来月2日から初回の予約と同様に、電話とインターネットで受け付けることを明らかにしました。
八王子市の次回の接種の予約のスケジュールについて石森市長は、初めの3日間は75歳以上に限定し、その後65歳以上へと対象を広げていき、6月末までに27万回分の接種に対応できる体制を用意していることを明らかにしました。
また、今月5日に初回の1900人分の接種予約を行った際は、インターネットサイトへのアクセスが1秒間に3700回に上るなど問い合わせが殺到し、開始から1時間半ほどですべての予約が埋まりました。
そのため、市には予約が取れなかった人などから苦情や問い合わせが、この日だけで1700件ほど相次いだということです。
これを踏まえ、市では来月の予約からは、インターネットや電話回線を2倍程度に増やして対応するということです。
石森市長は「今回は1900回分の予約で限られた数だったため、市には『電話がつながらない』とか『予約が取れない』といった声が数多く寄せられた。国の指針では来月以降、潤沢にワクチンが届くのでさらなる情報発信に努め、対応にあたっていきたい」と話しています。
八王子市によりますと、ワクチン接種初日、事前に予約が必要なことを知らずに接種会場の市役所を訪れた高齢者が少なくとも11人いたということです。
八王子市では次の予約を来月2日から電話とインターネットで受け付ける予定で、市はあらかじめ予約を取ったうえで接種を受けるよう説明したということです。
【接種を受けた人たちは】
八王子市で新型コロナウイルスのワクチンを接種した75歳の男性は「会社の社員にインターネットで予約してもらった。高齢でもあるし仕事でほかの人との接触もあり、もし自分が感染してほかの人にうつしてはまずいと思っていたので接種できてよかった」と話していました。
また、74歳の女性は「ドキドキしてきょうを迎えました。実家が遠方で、法事にも来なくよいと言われていたのですが、これで行きやすくなります」と話していました。
67歳の男性は「早めに打てて良かったが、周りでは希望しても予約できなかった人が多いのであまりおおっぴらに言えないというのが正直な気持ちです。妻は65歳未満でまだ接種対象ではなく、軽はずみな行動はとれないので引き続き予防対策をしっかりとりたい」と話していました。
八王子市で1度目の接種を終えた70代の男性が取材に応じ、「ワクチンを早く接種できてありがたいが、自分より高齢なのに予約ができなかった人がいることを考えると申し訳ない気持ちが大きい」と複雑な心境を明かしました。
市内にある寺で、30年近く住職を務めてきた赤塚良孝さん(74)は、午前9時から、市役所で初回のワクチンを接種しました。
赤塚さんは、法事などで人と接する機会が多いことから、今月5日、息子がインターネットで予約を取り、接種を受けられることになりました。
しかし、周りでは「予約を取れなかった」という声が多く聞かれ、赤塚さんは次第に複雑な心境を抱くようになり、自分が予約を取れたことは親族以外に明かさなかったといいます。
赤塚さんは「数さえあればこんな気持ちにはならなかったと思うが、自分より高齢なのに予約を取れていない人がたくさん居るなかで申し訳ない気持ちが大きいです」と話していました。
赤塚さんは、ワクチンの接種を受けたあと、体調に変化がなかったため午後からは法要など寺の仕事をいつも通りに行ったということです。
赤塚さんは「早く多くの人がワクチンを打てるよう供給が増えて欲しいです。『ワクチンを打ったら終わり』ではなく、今後も感染対策には十分に気をつけたいです」と話していました。
八王子市では、初回に接種を受ける予定の1900人について、3週間ほど空けて2度目の接種を行うことにしています。
からの記事と詳細 ( 都内で最も早いワクチン接種 八王子市で始まる|NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB )
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