宮崎駿監督のアニメ映画「天空の城ラピュタ」で、主人公の少女のおさげ髪が悪役の大佐から銃で撃ち落とされる場面がある。少女の味方となった「空賊」一家の女性親分は「髪は女の命なのに」と慰める◆髪型は第一印象を大きく左右する。長かろうが短かろうが本人の自由。でも、自由に髪型を選べない人がいる。がんなどの病気で頭髪を失った人たちだ。そんな人たちのための医療用ウイッグ(かつら)に自分の髪を寄付するのが「ヘアドネーション」◆ゴールデンウイーク中の本紙紙面で、鳥栖市の男子中学生栗山銀河さんがヘアドネーションに取り組んでいるという記事に心を打たれた。筆者の娘が取り組んだから、よく分かる。髪を伸ばすって本当に大変。目的と強い意志がなければ30センチ以上も伸ばせない◆筆者の中学時代は校則で丸刈りだった。洗髪は楽だったが、振り返ると「なぜ丸刈り」と思ってしまう。誰がどんなふうに髪を伸ばしても「個性」と認め合う社会、学校でありたい◆そういえば昔、「髪はながーい友達」という医薬品のテレビCMがあり、これで髪の漢字を覚えた。昨秋、娘が髪を切ってもらった知り合いの美容室は年間約20件のヘアドネーションを受けているという。もっと広がればと思う。切った髪が新しい命となって誰かの友となるのはとても素晴らしい。(義)
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