東京パラリンピックに参加している、紛争などで母国を離れた選手たちでつくる難民選手団は4日、シリア出身のカヌー選手が出場し、すべての競技を終えた6人の選手たちはそれぞれ困難に立ち向かう姿を強く印象づけました。
東京パラリンピックでは、紛争などで母国を離れた選手たちでつくる難民選手団が前回のリオデジャネイロ大会に続いて結成され、競泳、陸上、テコンドー、カヌーの4競技に男女合わせて6人の選手が出場しました。
大会12日目の4日、シリア出身のアナス・アル ハリファ選手(28)がカヌー男子ヴァーシングルの準決勝に出場しました。
母国の内戦から逃れてドイツで暮らすアル ハリファ選手は仕事中の転落事故で脊髄を損傷して下半身が不自由になりましたが、リハビリを兼ねて始めたカヌーに希望を見いだしたと言います。
レースではスタート直後から強豪国の選手たちに離される展開となりましたが、懸命なパドリングで食い下がり、1分1秒467のタイムで組の5位となりました。
決勝進出はなりませんでしたが、アル ハリファ選手は「スポーツに打ち込んでいるときはまるで自分に障害などないかのように感じられる。多くのことを成し遂げられると気付かされる」と、挑戦を続けるあくなき姿勢を見せています。
これで難民選手団は、今大会のすべての競技を終えました。
世界にはおよそ8200万人の難民や国内避難民がいて、このうち何らかの障害がある人はおよそ1200万人いると推計されています。
今もさまざまな困難と向き合っている人たちの代表として今大会ベストを尽くした難民選手団の6人について、IPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は「選手たちは目の前に立ちはだかった多くの困難にもかかわらず、パラリンピックの舞台で戦うトップアスリートになった。世界で最も勇敢なスポーツチームだ」とたたえています。
からの記事と詳細 ( 「最も勇敢なチーム」難民選手団 パラリンピック全競技終える - NHK NEWS WEB )
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