東京・代々木の焼き肉店で8日夜から約3時間にわたって男性店長(49)が閉じ込められた立てこもり事件があり、警視庁は9日未明、捜査員を突入させ、住所不定、無職の荒木秋冬(あきと)容疑者(28)を監禁容疑で現行犯逮捕した。容疑を認めている。店長のほか、捜査員や荒木容疑者にけがはなかった。
荒木容疑者は約2週間前に実家のある長崎県から上京して新宿周辺で路上生活をしており、「定職についたことがなく、ホームレス生活をしている間に生きている意味が見いだせず、大きな事件を起こして死刑になればいいと思った」と説明。焼き肉店を狙った理由は「新宿駅に向かっていて、たまたま(焼き肉店の)看板が目に留まり、捕まる前に焼き肉を食べようと思った」と供述している。
荒木容疑者を知るという路上生活者の男性(79)は「おとなしくて真面目な印象。数日前に一緒にワインを飲んだ時には『仕事が決まった』と言っていたが、本当だったのかわからない」と話した。
逮捕容疑は8日午後8時55分~9日午前0時7分ごろ、東京都渋谷区代々木1の焼き肉店「焼肉牛星代々木店」で、男性店長を店内に監禁したとしている。現場はJR代々木駅の西口にある飲食店などが建ち並ぶ地域で、一時騒然となった。
捜査関係者によると、荒木容疑者は8日午後6時半ごろに1人で来店。約6000円分の飲食をした後、店員に「爆弾を起動した。警察に連絡しろ」などと書かれたナプキンを渡し、店長が110番した。店内には店員や客約20人がいたが、店長を除く全員が店外に避難した。
荒木容疑者は店の入り口付近に椅子を並べてバリケードをつくり、店にあった牛刀(刃渡り約30センチ)を持って酒を飲むなどしながら籠城(ろうじょう)。暴れる様子はなく、店外から説得に当たった捜査員に「俺の人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」、店長には「最近あった電車内での事件みたいにしたかった」と話したという。金銭などの要求はなかった。
捜査1課特殊犯捜査係の捜査員は9日午前0時7分ごろ、店長に入り口と反対側に行くよう指示して、店の裏口から救出。その後、大きな音と光が出る閃光(せんこう)弾などを使って突入した。荒木容疑者は激しく抵抗したが、間もなく取り押さえられた。牛刀のほか、上着のポケットには果物ナイフが入っていた。所持金はなかったという。
荒木容疑者は立てこもり時、持っていた三つの箱状のものを「爆弾」と称していたが、逮捕後の調べで爆発物ではないと判明。「警察をびびらせるために段ボールや粘着テープを使い、携帯電話の充電器をアルミホイルで包み、見せかけの爆弾を作った」と説明しているという。
警視庁は逮捕容疑を「逮捕監禁」としていたが、9日午後に「監禁」と訂正した。【鈴木拓也、最上和喜】
2022-01-09 09:01:09Z
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