【ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権は6日、ロシアへの新たな経済制裁を発表した。ロシア最大手銀行やプーチン大統領の娘2人の資産を凍結し、米国の企業や銀行との取引を禁じる。ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊でロシア軍による民間人殺害が見つかったのを受け、欧州や日本と協調してプーチン政権への圧力を強める。
バイデン大統領は同日ツイッターで「ロシアは(キーウ近郊)ブチャにおける残虐行為で厳正で速やかな代償を払うことになる」と述べた。
米ホワイトハウスによると、最大手のズベルバンクと4位のアルファバンクの資産を凍結し、米国の企業や銀行との取引を禁じる。ズベルバンクはロシアの銀行が持つ資産の3分の1を抱える。アルファバンクは民間商業銀行としては最大手だ。
米政府は2月、ロシアのウクライナ侵攻開始を受け、ロシア2位のVTBバンクなどの銀行との取引を禁じた。最大手のズベルバンクについては、中継地点としての銀行間決済を禁じたものの、全面的な取引禁止や資産凍結は見送っていた。
米政府高官によると、金融機関への制裁ではエネルギー関連の取引は例外として認める。ロシア産原油や天然ガスの取引に即座に悪影響を及ぼさないようにする。
プーチン氏の娘2人やラブロフ外相の妻子、メドベージェフ前大統領らも資産凍結や取引禁止の制裁を科す。個人への制裁はプーチン氏本人やペスコフ大統領報道官に科してきたが、対象を広げて政権への圧力を強める。
米国の企業や投資家によるロシアへの新規投資も禁じる。これまでは同国の主力産業であるエネルギー分野への新規投資を禁じてきたが、自動車や素材などあらゆる分野で米国の資金や技術が流れ込むのを食い止める。
ロシアの重要な国営企業にも資産凍結や取引禁止の措置を講じる。米財務省が具体的な対象を近く公表する。
ロシアが米国の金融機関を通じて債務を支払うのを禁じる措置も正式に発表した。ロシアは、ドル建て国債の元利払いに、米国の管轄外の資金をあてる必要がある。資金を枯渇させる狙いだ。
米国は主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)と協調して制裁を実施する。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は6日、仏ストラスブールの欧州議会で演説し、石炭の輸入停止などを含む制裁案について「最後の制裁にはならないだろう」と述べ、追加制裁を準備していると表明した。同氏は「石油にも目を向けねばならない」と述べ、ロシアが化石燃料から得る収入源に狙いを定めていると明かした。
英政府も6日、ロシアへの投資や石炭輸入の停止、ズベルバンクの資産凍結、鉄鋼製品の輸入禁止などの追加制裁を発表した。
米欧日による対ロシア制裁は一段と拡大する。これまでは国際決済網のSWIFT(国際銀行間通信協会)からの同国排除やハイテク製品などの輸出入規制、同国政府高官や富豪の資産凍結などの制裁を科してきた。米国単独で原油の輸入も禁じた。
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2022-04-06 15:44:45Z
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