小児がんなどの病気や事故で髪を失った子どもたちに医療用のウィッグ(かつら)を贈る「ヘアドネーション」活動に役立ててもらおうと、今春、福岡県飯塚市の鯰田小に入学した秋吉世楽(せら)さん(6)=同市鯰田=が生まれてから一度も切らずに伸ばし続けてきた髪を切った。長さ約50センチ。初めてのカットの場所は、がんで亡くなった夫の「ヘアドネーションを応援したい」という遺志を継いだ妻が経営する美容室。「一人でも多くの子どもの役に立ちたい」。善意の輪が広がっている。
世楽さんの母親の三鈴さん(43)は十数年前、テレビ番組でヘアドネーションを知り、これまでに3回、自身の髪を提供してきた。三鈴さんは娘への「思いやりがある人に育ってほしい」との思いから、「一緒に髪の毛を提供しようね」と話し合ってきたという。
2人は入学式前の8日、福岡市の美容室「ビーハイブデラックス」を訪れた。経営する上野広子さん(59)は、5年前に胃がんで夫の達也さん(享年52)を亡くした。美容師だった達也さんは同市の九州がんセンターに入院中、小児がんの子どもたちのかつらを手入れし、「もっと力になりたい」と望んでいたことから、美容室としてヘアドネーションに協力している。
世楽さんは寄付の目安となる31センチよりも長い約50センチの髪を切ってもらい笑顔。三鈴さんも4回目の提供のためカットした。世楽さんは「誰か病気で困っている同世代の友達にあげたい」と話した。髪はがんの子どもたちを支援する「飯塚カトレアライオンズクラブ」(飯塚市)に託す。
髪を贈るために同店を訪れる人は男性を含め月に3~5人ほどおり、少しずつ増えている。上野さんは「一つのかつらをつくるのに何十人分もの髪が必要で、特に長い髪が不足している。多くの人の協力をお願いしたい」。
(古川剛光)
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