◆首と左上腕部の計2カ所に銃弾が命中した傷
安倍晋三元首相が奈良市での参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良県警は9日、司法解剖の結果、首と左上腕部の計2カ所に銃弾が命中した傷があったと明らかにした。現場では2回の銃声が確認されており、県警は発射された銃弾の数や構造、入射角度などを詳しく調べる。
逮捕された元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者(41)=奈良市大宮町3丁目=が、当初は宗教団体の幹部を襲撃しようとしていたとの趣旨の供述をしていることも捜査関係者への取材で判明。一方で、山上容疑者は元首相に対する殺意があったと認めており、県警は結果的に元首相を銃撃対象とした経緯について調べている。
県警によると、死因は「左上腕部射創による左右鎖骨下動脈損傷にもとづく失血死」。左上腕部を撃たれて動脈を損傷したことが原因だった。搬送先の病院は8日、首に銃創が2カ所あったと説明していたが、県警は首のもう1カ所の傷については、銃弾によるものかは分からないと説明している。
山上容疑者が背後から近づき、数メートルの至近距離から銃撃したことも分かった。県警は強い殺意があったとみている。
山上容疑者は調べに対し「特定の団体に恨みがあり、元首相と団体がつながっていると思い込んで犯行に及んだ。政治信条に対する恨みではない」と供述している。(共同)
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2022-07-09 02:03:00Z
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