2023/02/26 11:00 ウェザーニュース
北海道から東北、関東にかけての太平洋側で地震が目立ち、石川県能登半島でも地震が多くなっています。震度3以上の地震は5回発生しました。(2月20日~2月26日10時の集計)
国内:釧路沖震源の震度5弱以上は2005年以来
釧路沖を震源とする震度5弱以上の地震が発生するのは2005年1月以来、18年ぶりです。震源の深さがプレート境界よりも少し深く、沈み込む太平洋プレートの内部で発生したとみられます。
釧路沖ではプレート境界型の地震がしばしば発生しており、最近では2004年にマグニチュード7.1、最大震度5強の地震が発生し、50人以上の負傷者が出ています。また、1993年には太平洋プレートの内部が破壊されることでマグニチュード7.5の地震が発生して、死者を含む被害に見舞われました。(平成5年(1993年)釧路沖地震)
千島海溝沿いではプレート境界で発生する巨大地震が懸念されています。こうした地震のタイミングで、改めて避難路や防災グッズの確認などを行うようにしてください。
異常震域が現れやすい震源
三重県南東沖以外では、オホーツク海や日本海、東海道南方沖、鳥島近海などで同様の深発地震の起きることがしばしばあり、数年に一度はマグニチュード6以上の規模の地震も発生します。
震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わり、今回も震央に近い三重県は有感地震を観測した地点がなく、最大震度4は茨城県と福島県で観測されました。規模の大きな地震では震度5弱を超えるような揺れとなることもありますので、注意が必要です。
国内:十勝地方中部が震源で震度3は2年ぶり
十勝地方中部を震源とする震度3以上の地震は2021年5月以来、約2年ぶりで、十勝地方の全域に範囲を広げても、昨年9月以来、5か月ぶりです。沈み込む太平洋プレート内で起きた地震とみられます。
十勝地方中部から南部にかけては深さが100km以上の深発地震がしばしば発生しており、マグニチュード6を超えるような規模の大きな地震も起きています。最近では2013年にマグニチュード6.5、深さ102kmと推定される地震が起きて、最大震度5強を観測しました。
北海道の十勝地方は、十勝沖地震に代表される沖合のプレート境界で発生するタイプに加え、今回用のような深発地震や、十勝平野断層帯の活動による浅い地震の可能性もあり、地震のリスクが高い地域です。
国内:日向灘で震度4 今年1月にも強い地震
日向灘を震源とする震度4以上の地震は今年1月22日以来です。地震のメカニズムは東西方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、プレート境界型ではなく、プレート内部で発生したタイプとみられます。
1月に発生したマグニチュード6.6の地震よりも南の震源で、1961年に発生したマグニチュード7.0の地震に近い領域です。
世界:タジキスタンでM6.8 被害はないとみられる
日本時間の23日(木)の朝、中央アジアのタジキスタン東部を震源とするマグニチュード6.8、深さ約21kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは東北東ー西南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。
震央周辺では改正メルカリ震度階級でVIIの強い揺れとなりましたが、市街地から離れていたため、被害はないとみられます。
タジキスタンはプレート境界からは離れているものの、インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートにぶつかる運動の影響で大きな地震がしばしば発生します。
2015年には今回の震源に近い所でマグニチュード7.2の地震があり、揺れによって死者が出るなどの被害が起きました。また、タジキスタンでは1949年にマグニチュード7.5、1907年にはマグニチュード7.4の地震が起きて、いずれも10,000人以上の方が亡くなっています。
トルコは複数のプレートの境界で地震国
最初に発生したマグニチュード7.8の地震はアナトリアプレートとアラビアプレートの境界に形成されている「東アナトリア断層」の活動とみられます。
近年、トルコで発生した被害の大きな地震としては、1999年に発生したマグニチュード7.6が挙げられます。イズミット地震とも呼ばれる地震は、今回とは違い北アナトリア断層の活動に伴う地震で、大都市イスタンブールを含むトルコ北西部で被害が大きくなりました。
参考資料など
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
2023-02-26 02:00:00Z
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