文部科学省は1日、世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大」の初の認定候補に東北大を選んだと発表した。同大は、研究力強化や学外からの資金獲得のために組織改革を進める計画に実効性があると評価された。政府は同大に対し、10兆円規模の「大学ファンド」の運用益を元に2024年度から最長25年間助成する。
文科省は今年3月末まで卓越大について公募を実施。国立8校、私立2校の計10校が申請した。国内外10人からなる文科省の有識者会議が審査して、6月には東京大、京都大、東北大の3校に事実上絞り、現地視察などを行った。
審査のポイントとなったのは、国際的に注目される研究論文数などこれまでの研究実績に加え、年3%程度の事業成長など意欲的な事業・財務戦略や、大学運営の体制づくりだった。
東北大は、官民で整備費約380億円を折半して建設している次世代放射光施設「ナノテラス」などを運用して最先端研究を進めるとともに、日本語と英語の公用語化を導入し、外国人研究者と留学生の比率をそれぞれ30%に増やすことなどが評価された。
一方、企業などからの研究資金の受け入れ額を現在の10倍以上にする同大の目標について、文科省側は「従来の成長モデルの延長線上では達成は困難」として、戦略の深掘りや見直しを求めた。文科省は、同大がこうした追加条件をクリアした後、24年度に正式認定する。
東北大への助成額は、大学外からの資金獲得の過去5年間の平均に応じて決まる。支援が始まる24年度は100億円程度を受ける見通しだ。
大学の規模や研究論文数で上回る東大と京大については、「変革に向けたスケール感やスピード感は十分ではない」などとして選ばなかった。
永岡文部科学相は1日、閣議後の記者会見で、東北大の今後の取り組みについて「有識者会議で継続的に確認していきたい」と述べた。選出されなかった9大学については「現状を変更しようとする強い意志に基づく意欲的な提案がなされた」と評価した。
東北大は同日、「認定候補として選定されたことは大変光栄。世界をリードする研究大学を目指し、全学一丸となって引き続き力を尽くす」とする大野英男学長のコメントを公表した。
2023-09-01 01:44:00Z
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