イスラム主義組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエル軍が、パレスチナ自治区ガザ中部の東側から中央部に向かって、新たに約３キロ・メートルの道路を整備した可能性が高いことが本紙の衛星画像分析でわかった。部隊の移動や物資輸送などが目的とみられる。集中的に攻撃してきた北部や南部と合わせ、イスラエル軍が地上作戦を広範囲に展開する様子が鮮明になっている。
欧州宇宙機関の地球観測衛星「センチネル２」が昨年１２月以降に撮影したガザ中部の６日分の画像を分析した。
１２月３１日の画像では、イスラエルとの境界付近で、建物や農地が取り除かれて更地になった様子が確認できた。今月１０日の画像では、南北を貫く主要道サラハディン通りにつながる３キロ・メートル超の道路が整備されたことが判明した。こうした道路はガザの北部や南部でも複数確認されている。
米オレゴン州立大などが推定した今月９日時点の建物被害の割合は、北部ガザ市で７２～８４％、中部で３５～４６％、南部ハンユニスで４３～５６％で被害は広がり続けている。
衛星画像分析に詳しい渡邉英徳・東京大教授（情報デザイン）は「イスラエル軍は中部でも攻撃を強化している。イスラエル軍が広い範囲に駐留する状況の中、必要な物資がガザの住民に届くか懸念される」と話している。
2024-01-21 20:00:00Z
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