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Saturday, January 27, 2024

自民党の先生方に聞きました「政策活動費」にメスを入れない理由は何? 通常国会初日の騒がしさの中で:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

自民党の先生方に聞きました「政策活動費」にメスを入れない理由は何? 通常国会初日の騒がしさの中で:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

 先生、なぜ「改革」しないんですか。

 自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革の中間取りまとめに、批判が相次ぐ「政策活動費」の改革は盛り込まれなかった。使途不明で、金額もケタ違いの「ブラックボックス」をどう考えているのか。通常国会が開会した26日に登院した自民党議員を、東京新聞「こちら特報部」が直撃した。 (木原育子)

◆党から議員に山分けされる多額の資金

 政策活動費は、政党から議員個人に支出される政治資金。例年、幹事長を筆頭に党幹部に「山分け」される。党の収支報告書には支出先の議員名や金額を記載するが、受け取った議員側に記載義務はない。自民党は2022年だけで他党を圧倒する14億円を支出。パーティー券裏金問題で不記載が判明した安倍派の6億円超(5年間分)、二階派の2億円超(同)をはるかに上回る。

26日開かれた衆院本会議

 これほどの問題が、なぜ改革対象にならないのか。自民議員に聞くために、国会を訪れた。開会前の衆参本会議場周辺は、はかま姿で闊歩(かっぽ)する議員を含め、熱気ムンムン。若手議員が「派閥の件だけどさ…」と声をひそめて話す姿も。

◆「びっくりしちゃったわよね」

 廊下を歩いていた朝日健太郎参院議員は「僕自身は派閥にも入っていないし、もらったことがないから少し分からない」と首をかしげた。党控室にいた1期目の衆院議員にも聞いたが、「幹部の人の話だから。そこだけ切り取って批判しても仕方がない」と的を射ない。本会議開会までの暇つぶしか、スマホゲームに視線を戻した。

 控室から出てきた元外務副大臣の城内実衆院議員は一瞬取材に応じる姿勢を見せたが、「政策活動費」という言葉を出した途端、「ん? ダメダメ」と背を向けた。大臣経験者の女性議員は「あまりに巨額でびっくりしちゃったわよね」とどこ吹く風。「これ、取材なのですが…」と水を向けたが、「事務所にアポを入れてもらえればちゃんと答えますから」と立ち去っていった。

 意外に緊張感を感じない「裏金国会」。本会議終了後、大勢の記者に囲まれた森山裕総務会長にも質問した。「何ですか? 政策活動費?」と聞き返し、数秒の間の後、「あれは自民党だけじゃないから、決められない。各党で議論が始まっていくんじゃないですか」と人ごとのように話した。

◆結局裏金づくりはやめたくないという意思表示

衆院本会議に臨む(後列左から)自民党の萩生田光一前政調会長、麻生太郎副総裁、菅義偉前首相ら

 自民党は10日、岸田文雄総裁を本部長に「政治刷新本部」を設置。24日に自公両党が政策活動費の見直しの必要性を認識することで一致したが、自民側は「野党にも不透明な資金がある」と言いのけた。25日に正式決定された中間取りまとめに記載はなく、意気込みは感じられない。

 刷新本部で有識者として意見を述べた東大の谷口将紀教授(現代日本政治論)は「中間取りまとめに書かれたことを確実に進めてもらうと同時に、これで終わりだと思わないでもらいたいと、社会がウオッチし続けることが肝心だ」と指摘する。

 そもそも政策活動費は政治資金規正法を改正し、「抜け穴」となっている条項を削除すれば廃止できるカネだ。一連の裏金問題を告発した神戸学院大の上脇博之教授(憲法)は「極めて簡単な話なのに、できないのは、結局裏金づくりはやめたくないという意思表示だと受け取らざるを得ない」と語気を強める。

 「派閥のパーティーだけ制約しても、逆に政策活動費の額や対象者が増える可能性もある。急に廃止するのが難しければ、使途を順次公開するなど覚悟を示してほしい。でなければ、裏金で政治を進めてきた党の言葉など誰も信じない」

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2024-01-27 03:00:00Z
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