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Saturday, February 17, 2024

H3ロケット2号機打ち上げ成功、衛星も分離 1年で挽回 - ロイター (Reuters Japan)

H3ロケット2号機打ち上げ成功、衛星も分離 1年で挽回 - ロイター (Reuters Japan)

[東京 17日 ロイター] - 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午前、日本の新型主力ロケット「H3」2号機を打ち上げ、所定の軌道投入に成功した。世界の宇宙開発競争が厳しさを増す中、H3は当初の開発計画から大幅に遅れており、打ち上げの成功数や価格で米スペースX社に大きく先行されている。日本は1号機の失敗から1年で挽回、巻き返しを図りたい考え。

H3は午前9時22分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、1号機で失敗した2段目エンジンが正常に着火して燃焼。搭載したロケット性能確認用の模擬衛星と超小型衛星2基も分離した。

午後に会見したJAXAの山川宏理事長は「計画通りに飛行」して機体を所定の軌道に投入したと発表、「こうした打ち上げ結果を報告できたことに安堵(あんど)している」と語った。「H3ロケットは日本が宇宙活動の自立性を確保すること、同時に国際競争力を確保するのが目的で、それに向けて大きく前進した」と述べた。

開発責任者でJAXAプロジェクトマネージャの岡田匡史、共同で開発している三菱重工業(7011.T), opens new tabH3プロジェクトマネージャーの新津真行両氏も、打ち上げは「成功」「100点満点」と評した。

ただ、岡田氏は製造・運用・発射時のトラブルのたびに手直しを繰り返しており、「まだ非常に手のかかる状態。これからが勝負。しっかり育てていきたい」と話した。新津氏も「細かくデータを見ていくと、あの設計で思っていたものとは多少違う動きをしている、もう少し改善がいるなどの点がいろいろ出てくると思う」と語り、そうした点に対策を取り、打ち上げの安定性や信頼性を向上させたいとした。

H3は、高い打ち上げ成功率を誇ってきた現在の主力ロケット「H2A」の後継機で、JAXAと三菱重工が2014年から共同で開発。災害時の観測や気象情報の収集、偵察などを行う国の人工衛星の宇宙への輸送、世界で高まる商業衛星打ち上げ需要の受注獲得のため2000億円余りを投じてきた。特長は打ち上げ費用の安さで、一定条件下ではスペースXともほぼ互角に戦え、H2Aの半額となる約50億円を目指している。米国主導の月探査計画「アルテミス計画」で物資輸送も担う予定。

三菱重工元技師長でH3の開発にも携わった東京理科大学の小笠原宏教授は「これでようやくスタートライン(に立った)という感じだ。ここまで来るのに時間はかかったが、これから世界中から引き合いが相当くると思う」と述べた。

世界的に宇宙開発競争が激化する中、H3は日本の宇宙ビジネスに欠かせない主力ロケットとして期待されているが、昨年3月の1号機打ち上げでは、上昇中に2段目エンジンが着火せず失敗した もっと見る 。このため、2号機の打ち上げが成功するかどうかに注目が集まっていた。

当初1号機の打ち上げは20年度を予定していたが、主エンジンの開発が難航して延期を繰り返した。開発計画も見直され、大幅に遅れている。1号機は23年3月に打ち上げたが、2段目エンジンが着火せず失敗。1年かけて原因究明と点火装置を改良するなどの対策を講じた。

一方、スペースXはすでに、22年は61回、23年は96回の打ち上げに成功している。

会見に同席した三菱重工の江口雅之執行役員は、「造り始めたばかりなのでコストダウンは目標に達していない。10号機か15号機くらいで競争力が出るような形に持っていきたい」と述べ、「円安の追い風も受けて国際競争力のある製品にしていきたい」と語った。生産能力を現在の年5─6機から10機程度まで増やし、宇宙事業の売り上げを「ロケット関係で2─3割増やしたい」という。

(白木真紀 取材協力:小宮貫太郎 編集:久保信博)

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2024-02-17 07:30:33Z
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