大統領選では民主党候補のバイデン氏が勝利したが、いまだ混沌とした状況が続いている米国。敗北を認めないトランプ大統領は、選挙に関する訴訟を起こしているほか、政権移行を阻む措置もとっている。また、大統領選でも接戦となった南部ジョージア州では、上院議員選挙の決選投票が来年1月に実施されることに。民主党がここで2議席を取って多数派になれないと、バイデン新政権は厳しい船出となりそうだ。AERA 2020年11月23日号では、いまだ「選挙モード」の米国の現状を取り上げた。 【写真】開票作業の中止を求めて叫ぶトランプ大統領の支持者の姿はこちら ※【トランプ氏の“政権移行妨害”が生んだ深刻な事態 「安全保障を犠牲にしてまで抗戦か」との報道も】より続く
* * * バイデン陣営は、混沌とした状況下、政権移行チームを形成し、ホワイトハウス入りの準備を進めている。それを支えるのは、彼に投票した有権者だ。バイデン氏が当選を確実にした11月7日夜(米東部時間)に行った勝利宣言が、その多様さを物語る。 「私たちは、歴史上最も幅広く多様な連合を組んだことを、誇りに思う。民主党、共和党、独立派、プログレッシブ、穏健派、保守派。若者、高齢者、都市部や郊外、地方に住む人、同性愛者、そうでない人、トランスジェンダー、白人、ラテン系、アジア系、米国先住民。特にこの選挙活動が停滞していたときに、アフリカ系米国人の共同体が私のために立ち上がってくれた」 ■バイデン陣営は準備 このように今夏、特に黒人や若者を行動することに目覚めさせた「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大切だ)」運動にも言及した。 バイデン氏はまず、大統領のスケジュールや面会する人物、人事を一手に引き受ける大統領首席補佐官に、前副大統領時代の副大統領首席補佐官だったロン・クレイン氏を任命した。クレイン氏はすぐにバイデン氏が誰と会い、どんな情報を得るのか、ホワイトハウスにいるのと同じ環境を作り上げる。これは重要な動きだ。 カナダ、日本、韓国、オーストラリアといった同盟国の首脳ともいち早く電話会談を行った。同盟国を軽視するか、あるいは無視するトランプ政権の外交路線を改めて、協調路線を復活させるのが狙いだ。
2020-11-16 21:55:18Z
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