日本のワクチン接種遅れは治療薬を志向したため
日本で新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れている原因は、昨年コロナが最初に流行し始めた当初、行政や専門家たちがワクチンより治療薬の開発を志向したためだ。ワクチンに頼ろうとする国と治療薬に頼ろうとする国がある中で、日本の専門家たちは安全なワクチンなどすぐに出来るわけがないと見ていた。
副反応への懸念もあってワクチン接種に極めて慎重だった。接種が先行する国の様子を見ながらやれば良い、慌てることはない、という雰囲気だった。
私は比較的ワクチン接種に前向きだったため、日本の専門家の論調に疑問があった。昨年末、ワクチン接種を進めるべきだと働きかけたが、厚生労働省は「政治家があまりプレッシャーをかけないでほしい」と消極的だった。
米ファイザー社製のワクチンは、本来は同社のデータだけで特例承認を了承することが出来たはずだ。ところが、人種によって差があるかもしれないということで、日本で再度治験を行うことになった。これでさらに2、3カ月、スタートが遅れた。
HPVワクチンへの不信で国産ワクチン開発に遅れ
かつての日本はワクチン生産の先進国だった。ただ、子宮頸(けい)がんなどの予防に使われるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンをめぐって不信感が高まったことなどにより、企業が開発に慎重になった。積極的にワクチンを開発するインセンティブがなくなってしまった。
米国は、政府がベンチャー企業にも支援し、うまくいかなくても買い取るようにするなどして大変なスピードで開発した。日本も補償する仕組みがあれば技術的には開発は出来る。現在のように、なぜ日本は国産ワクチンが作れないのか、という世論が高まってようやく予算を投入できる。
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2021-05-31 22:01:00Z
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