大リニューアル! メニュー開発は、かのジャン-ジョルジュ
“マラケシュの貴婦人”と呼ばれるモロッコのラ・マムーニアが大リニューアルを経て蘇ったことは、前回でお伝えした通り。今回は、その核心部分である、レストラン関連のリニューアルについて取り上げたいと思う。というのも、今回のリニューアルは、ホテルの内外装といったハード面だけでなく、レストランやバーのコンセプトそのものにも、大きなテコ入れがなされているからである。 現在、ラ・マムーニアの中には、三つのメインダイニングがある。モロッコ料理のル・モロカン(Le Marocain)、イタリア料理のイタリアンbyジャン-ジョルジュ、そしてアジア料理のアジアティークbyジャン-ジョルジュである。このうち、モロカン料理のレストランに関しては、洗練されたモロッコ料理の専門店として、不動の人気を博している。 私はホテル滞在中に、この三店舗すべてを体験しているが、どれも個性が際立っていて、長期滞在のゲストが飽きないような工夫も随所に見られた。個人的なおすすめは、やはり地元ということもあり、モロッコ料理のダイニングであろうか。モロッコ料理と言われてもピンとこないかもしれないが、クスクスやタジンと呼ばれる円錐形の土鍋の煮込み料理は、日本でも知られている。そのほか、モロッコ料理の特徴を挙げれば、クミンやパプリカ、サフランなどのハーブ類、干しぶどうやデーツやオリーブをよく使うこと。あるいは、羊肉の料理も有名である。 この店で私が感動したのは、内装のモザイクの緻密さやスケール感はもちろんだが、料理の洗練度においても高いクオリティであったことだ。たとえば、最初のアミューズで出された写真の小鉢群。おつまみ的な野菜類や煮込み料理などの郷土料理がゲストごとに10数皿も運ばれ、どれも抜群に旨いのである。 日本では味わうことの出来ない香辛料の香りや独特の味付けがあり、これだけでワインの肴として十分に楽しめる。だがこれはあくまで付け合わせ的な存在。このほか、料理はアラカルトで注文できて、そのバリエーションも豊富である。私は名物のタジンも注文したが、どれも素晴らしかった。モロッコ料理の奥深さを知る意味でも、ラ・マムーニアに来たら必ず訪れて欲しいレストランである。 さて、ほかの二店舗についても触れねばなるまい。今回のリニューアルでは、モロッコ料理店は大きな変更がなされていないが、ほかの二箇所のイタリアンとアジアンに関しては、内装だけでなく料理内容やコンセプトそのものを刷新しているからだ。 それらは名前が示すよう、料理のメニュー開発を、ジャン-ジョルジュが監修している。ジャン-ジョルジュは、ニューヨークに自身の名を冠した人気レストランを経営する世界的にも著名な料理人である。日本にも六本木に支店を持つので、ご存知の読者も多いかもしれない。 今回のリニューアルに際し、メインダイニングのイタリアンとアジアンは、彼がメニュー開発から監修している。まず、イタリアンに関しては、モロッコという国は地中海や大西洋に面していることもあり、新鮮な魚介類や上質なオリーブが育つことから、もともとイタリア料理を作るに適した環境である。それを、ニューヨークで名声を博したジャン-ジョルジュらしく、インターナショナルなイタリア料理に仕上げていた。タコや鮮魚はもちろんだが、私が驚いたのは、野菜類の鮮度とその美味しさだった。それらをシンプルに飽きのこない味付けにしているのが特徴であった。 アジア料理に関しては、中華風あり日本風ありタイ風ありベトナム風ありと、アジア全域の料理からヒントをえて、都会的なアレンジメントがなされていた。日本人にとっては、驚くような内容ではないかもしれないが、マラケシュにはアジア料理専門店がほぼ皆無ということを考えると、長期滞在で地元料理に飽きたときなどは貴重な存在となるに違いない。
からの記事と詳細 ( この世で最も美しい地、モロッコ・マラケシュの最高峰のホテル「ラ・マムーニア」【レストラン編】(GOETHE) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3yluMHO
No comments:
Post a Comment