植物があれば、いじめもなくなる
──植物が国連で演説したら、何を話すでしょうか。 まず、間違いなくこう言うでしょうね。 「いったいあなた方、人間は、何をやってきたんだ」 そして植物は人間に一切、理解を示さず、さらにこう続けるでしょう。 「地球上に存在しえた種のなかで、あなた方は最も愚かしい行動をとっている」 地球の平均気温が1~2度、あるいは3度上がっても大したことはないのでしょうか。人間の体温が36.5度から39.5度に上がったらどうでしょう。具合が悪くなりませんか? 地球はまさにそのような状態にあるのです。私たちは、まるでウイルスのように振る舞っています。人類は地球上で最も原始的なウイルスです。 植物は、こうも言うでしょう。 「人間は現状を認め、説明責任を果たすべきだ」 また問題は、人類があまりにも若い点にあるかもしれないとも指摘するかもしれません。 ──「若い」ですか? 人類は、とても若い種です。地球に暮らすようになってからわずか30万年です。『ドン・キホーテ』を書いたから、または、このような議論ができるから、自分たちはとても賢いのだと思っています。でも、こうしたことは果たして「知性」の証明になるでしょうか。 私たち人間は、ほかの種より優れていると思い込んでいます。ある者がほかの者より優れているのは、どんなときでしょう。目的を持ち、それを達成できたときです。では、生命の目的とはなんでしょう。それは、生きることです! 人類以外の種は、この地球上に平均して500万年のあいだ生存してます。けれども、人類はあと1万年すら生きながらえるとは思えません。すごいと思いませんか。 ──それを阻止する方法はないのでしょうか。見た目がジャングルのような都市について言及していますが、それが解決策になりますか? その可能性はあります。でも何よりも先に、アマゾンの熱帯雨林を守らなければなりません。アマゾンを世界遺産にすべきです。なぜなら、アマゾンは本当に世界にとって必要なものだからです。木があと1本たりとも切られないように、その保護にかかる費用をみんなで分担すべきです。 ヨーロッパのようにしてはいけません。ヨーロッパはかつて巨大な森でした。でも、もう跡形もありません。200年のあいだに全部伐採してしまったのです。 そして最悪なのは、これは皮肉を込めて言いますが、建築家たちが「理想的な都市はセメントだけでできている」と今も信じていることです。2020年はどんな年として歴史に刻まれると思いますか? 「パンデミックの年」ではありません。「人間が生み出した人工物の総重量が、地球上の生命の総重量を上回った年」として記憶されるのです。 この流れは加速しています。人間はいまも新石器時代であるかのように街を作り続けています。街を作ることは、かつては意味のあることでした。しかし、今となっては常軌を逸した行為です。 ──どういうことでしょう。 新石器時代には、領土を何かしらで囲って、自然の脅威を遠ざけていました。「自然の脅威」とは、もちろん野生動物のことです。でもそのような脅威がなくなった現在も、私たちは同じことをしています。 世界の人口の70~80%が、当時のように自然がほとんど入り込めない、自然界の縁に建設された都市に住んでいます。都市が地球上の空間に占める割合はわずか2%。つまり、私たちは過密状態で生活しているわけです。そしてその都市で、私たちは利用可能な資源の80%を消費しています。 建築家たちは、自分たちが思い描く都市のイメージを壊されるような話には耳を貸したくないようです。というのも、私は街路樹や公園を作るべきだと言っているのではないからです。私は、家のなかにも外にも、至るところに植物があるべきだと言っているのです。 ──家のなかにもですか。 もちろんです! 至るところにです。植物は夜間、空気を薄くするというのは、本当ではありません。あなたの隣に誰か寝ていれば、その人は植物の100倍の酸素をあなたから奪います。植物が人間に与える影響は、良いものばかりです。 ノルウェーでこんな実験がおこなわれました。ある学校の教室の1つを2年間、植物でいっぱいにしました。ほとんどジャングルのようなその教室で学ぶ生徒たちの行動や成績を分析し、植物がない教室の生徒たちのそれと比較したのです。 すると、植物がある教室の生徒たちの成績は、植物がない教室の生徒たちより30%高く、病気になる割合も45%少なかったのです。また生徒たちの仲もずっと良く、嫌がらせなどもありませんでした。学校に植物があれば、いじめがなくなる。その可能性は高いのです。
からの記事と詳細 ( 植物学者の警告「人類は地球上で最も原始的なウイルスだ」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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