新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大が広がる米国では、1日当たりの新規感染者が50万人という未曽有の水準を超え、1月半ばにも100万人超のピークに達するとの予想も一部で出ている。
こうした予想について、ロックフェラー財団で病原体調査担当マネジングディレクターを務めるサム・スカルピノ氏は「既に60万人に近いことを考えれば、十分あり得ると思う」と述べた。
ただ、入院患者や死亡者の増え方は緩慢で、オミクロン株による重症者や死亡者が過去の新型コロナ感染者急増でもたらされたような高い水準に達するかはまだ分からない。
一方で、オミクロン株感染が全米で拡大する中で、子供の入院患者は過去最多に増えている。米疾病対策センター(CDC)によると、新型コロナ感染症で新たに入院する子供は昨年12月28日終了の1週間で、1日当たり平均66%増の378人だった。前回のピークは同年9月上旬の1日当たり342人。
航空便の混乱が続いたまま米国は大みそかを迎えた。新型コロナ感染拡大に伴う乗員不足や寒波が影響し、1300便余りが欠航。1月1日も1000便超が既に同様の予定となっている。
ニューヨーク州のホークル知事は州立大学の学生に、今月の冬休み明けにキャンパスに戻る前の新型コロナワクチンのブースター接種を義務付けた。対象となるのはニューヨーク州立大学(SUNY)とニューヨーク市立大学(CUNY)の学生50万人余りで、ワクチン接種は既に義務化済み。
ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は2億8790万人、死者数は543万人をそれぞれ上回った。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、世界のワクチン接種は計91億7000万回を超えた。
英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は、米ファイザー製の新型コロナウイルス感染症(COVID19)経口薬「パクスロビド」の使用を承認した。
オミクロン株の広がりに伴い、世界各国で行動制限の強化が相次いでいる。ジンバブエはレベル2のロックダウン(都市封鎖)を1月半ばまで延長する。フィリピンは首都マニラで1月3日から15日まで行動制限を強める方針だ。政府当局者は、過去数日で感染者が「急激に」増えたとしている。
一方、南アフリカ共和国では、オミクロン株が主流の感染第4波で持病や呼吸器疾患を抱える患者の入院が「著しく減少」しているという。同国最大の民間病院ネットワークを運営するネットケアが明らかにした。南アは検査での陽性率が19日連続で20%超となっていたが、当局は感染拡大を抑えるための各措置を緩和した。
原題:Cases Rise ‘Through the Roof’ as Omicron Sweeps Across U.S.、Kids’ Covid Hospitalizations Reach Record in Omicron Surge (1)、U.S. Air Travel Ushers in New Year With an Omicron Hangover (1)、N.Y. Requires Boosters for CUNY, SUNY Students Amid Covid Surge、Airlines Scrub Flights; U.K. Approves Pfizer Pill: Virus Update (抜粋)
2022-01-01 04:25:52Z
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