【ワシントン=田島大志、ロンドン=池田慶太】ロシアとウクライナが29日に臨んだ停戦協議で、ロシア側が首都キエフ周辺などでの軍事行動縮小を表明したのを受け、米国は同日、露軍がキエフ制圧に失敗したと断定し、一部部隊による離脱の動きを確認したと明らかにした。米国などはロシアの今後の行動を注視する必要があるとして、慎重な構えは崩していない。
米国防総省のジョン・カービー報道官は29日の記者会見で、露軍が「キエフ制圧に失敗した」との見解を示した上で、離脱を始めた部隊はごく一部であり「露軍が今後、どのような行動を取るか判断するのは時期尚早だ」と強調した。東部地域攻撃に向けた部隊再編成が行われ、キエフを含めた全土で大規模な無差別攻撃が続く可能性も指摘した。
英国防省も29日、露軍が「キエフを包囲するという目的に失敗したのはほぼ確実だ」との分析を示した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も29日夜、国民向けの演説で、「(停戦協議の)交渉では前向きなシグナルが送られてくるかもしれないが、ロシアの砲弾の破裂は静まらない」と慎重な立場を示した。「防衛を緩めることはない」とも主張した。
露国防次官は29日の停戦協議後、キエフ周辺での軍事行動縮小は「相互信頼を高め、ウクライナとの交渉に必要な条件を作るためだ」などと説明していた。
ウクライナは停戦協議で、ロシアが求める「中立化」に応じる条件として、自国の安全を保証するため、国連安全保障理事会の常任理事国である米英仏中と、トルコ、ポーランド、イスラエルなどが参加する新たな枠組みを提案した。ウクライナは攻撃を受ければ3日以内に関係国に協議を求めることができ、関係国はウクライナを軍事支援しなければならないとする国際条約締結を主張している。
プーチン露大統領が提案にどう判断を示すかが今後の焦点となる。タス通信によると、プーチン氏は29日、フランスのマクロン大統領との電話会談で、民間人約5000人が死亡した南東部マリウポリの人道危機を解決するには「ウクライナ軍が武器を置くべきだ」として、改めて投降を迫った。
ウクライナ国営通信によると、キエフ郊外では29日夕、露軍の攻撃により、倉庫約2万平方メートルが焼ける大規模な火災が起きた。西部フメリニツキー州では、空港が露軍の攻撃を受けた。
2022-03-30 01:55:00Z
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