【ロンドン=中島裕介】トラス英首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、出馬の是非が注目されていたジョンソン前首相が23日夜(日本時間24日早朝)、立候補を断念した。複数の英メディアが一斉に伝えた。前回党首選の決選投票で敗れたスナク元財務相が23日夜の段階で、党下院議員357人中約150人の推薦を集めており、優位な立場に立った。
英BBCによると、ジョンソン氏は出馬断念の声明で、今なお自身への党員の人気が高いことを示唆して「私は(党首選の結果が出る)28日に首相官邸に戻ることはできただろう」と語った。
そのうえで「議会で結束した政党でなければ、効果的な政権運営はできない」と述べ、出馬は「正しいことではないと結論づけた」と述べた。党内でジョンソン派議員を中心とした出馬熱望論と、反対論が交錯している状況を受けて自ら身を引いたとの説明だ。
ジョンソン氏は新型コロナウイルスの行動規制の最中に首相官邸でパーティーを開いた問題など相次ぐ不祥事で政権支持率を落とし、9月に政権を譲ったばかり。「選挙の顔」としての期待はあるものの、6月の党首信任投票で4割の議員が「不信任」に投じるなど党内に「ジョンソン嫌い」が多いのも確かだ。元党首など党重鎮からも「出馬は望ましくない」との声があがっていた。
ジョンソン氏は声明で立候補に必要な100人の推薦議員を集めたと主張したが、実際は苦労していたとの見方もある。23日夜の段階で公表ベースの推薦議員は約60人にとどまっていた。
これで保守党議員の4割超の支持を固めているスナク氏が当選に向けて大きく前進した。24日付の英紙タイムズは「スナク氏の首相への道が開かれた」と報じた。立候補を表明済みのモーダント下院院内総務にはまだ20人強の支持しか集まっていない。
党首選は24日に立候補を締め切る。24日時点で候補者が1人の場合には同日中に新首相が決まる。2人以上だった場合には立候補後の辞退がない限り、党員によるオンライン投票を経て28日に当選者が決まる。
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2022-10-23 22:56:30Z
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