スナク氏の英首相就任は初めてずくめだ。過去200年余りで最年少、ヒンズー教徒として初めての首相。さらに一族が保有する資産の額も、歴代首相で最高となる。
スナク氏が英首相初の超富裕層であるのは、夫人のアクシャタ・マーティー氏の存在が大きい。同氏は高級家具市場から超名門私立校イートン校の学生服販売店まで、さまざまな投資を手がけている。
マーティー氏(42)はインド生まれで、インド国籍を依然保有する。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、父が創業したソフトウエアサービス輸出大手インフォシスの保有株が大きく寄与し、純資産は約10億ドル(約1480億円)に上る。
この純資産は、故エリザベス女王の約4億ドルを上回る。その息子であるチャールズ3世からスナク氏は25日、正式に首相指名を受けた。
インフォシスの株価は今年に入り、世界的な金融政策引き締めによる全般的なテクノロジー株売りのあおりを受け、軟調な展開が続く。それでもマーティー氏の株式保有が2001年に初めて公に開示されて以来、同社株価は1500%余り上昇した。
マーティー氏は今のところコメントの要請に応じていない。同氏の父であるインフォシス創業者のナラヤナ・マーシー氏は電子メールでスナク氏を祝福。スナク氏を「誇りに思う。成功を願っている。英国の人々のため最善を尽くすだろうと確信している」と記した。
莫大(ばくだい)な資産は、政治的には時に火種になる。
今年4月にはマーティー氏が英国で税制上の「非居住者」資格を持ち、国外の所得について英国での納税を免れていることが暴露された。英国で生活費急騰による市民の苦痛が始まった時期だけに反響が大きく、スナク氏の支持率は急落、マーティー氏は全世界で得る所得に対して英国で納税すると約束せざるを得なかった。
一族の資産は引き続き注目される公算が大きい。スナク氏がかじ取りを担うのは、暖房費や食費の支払いにも困る市民が多く、「深刻な経済問題」に直面していると自身が表現した英国だ。民間部門での勤務経験の大半をヘッジファンドで過ごした事実と合わせ、スナク氏一族の資産は野党にとって格好の攻撃材料になる可能性もある。
原題:Sunak’s Family Riches Back in Focus After Downing Street Return(抜粋)
2022-10-25 18:10:00Z
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