ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は20日、首都モスクワで中国の習近平国家主席と非公式で会談し、習氏が提案した「ウクライナでの重大な危機を解決する」ための和平案について議論するつもりだと述べた。
プーチン氏は「我々は、交渉プロセスに対して常にオープンだ」と述べ、両首脳は互いを「親愛なる友人」と呼び合った。
中国は先月末、ウクライナでの戦争を終結させるための、12項目からなる和平案を提案した。「敵対行為の停止」や和平交渉の再開などが含まれる。
しかしアメリカは17日、この和平案は「時間稼ぎ作戦」の可能性があると警告した。
アントニー・ブリンケン米国務長官は、「中国やその他の国に支えられてロシアが行う戦術的な動きに、世界はだまされてはならない。ロシアは自分たちに都合の良い条件で、戦争を凍結させようとしている」と指摘。
さらに、「ウクライナの領土からロシア軍を排除するという条件を含まない停戦の呼びかけは、事実上、ロシアによる征服の承認支持を意味する」と付け加えた。
中国の和平案には、ウクライナがあらゆる交渉の前提条件だと主張しているロシア軍の撤退について、具体的に記されていない。
その代わりに、「すべての国の主権を尊重すること」、「すべての当事者は理性を保ち、 自制心を働かせること」、「徐々に状況を緩和すること」としている。
中国はさらに、「一方的な制裁」を科すことを非難している。ウクライナの西側の同盟国への批判を込めたものとみられる。
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習氏が20日にモスクワに到着すると、ロシア政府は軍楽隊が演奏する式典で歓迎した。プーチン氏は中国が「正義の原則を守り」、「すべての国に分断されていない安全保障」を推進していると称賛した。
習氏はプーチン氏に対し、「あなたの強いリーダーシップの下、ロシアは豊かな発展において大きく前進してきた。ロシア国民が引き続きあなたをしっかり支持すると、私は確信している」と伝えた。
プーチン氏は習氏のロシア訪問を前に、アメリカの「攻撃的な」政策によってロシアと中国が弱体化することなどないと書いた文章を、中国共産党機関紙の人民日報に寄稿した。
ウクライナの反応
ウクライナの指導者たちは公には、主権と領土保全の尊重という点で、中国側と共通認識があると強調している。
しかし舞台裏では、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と習氏の直接会談(あるいは電話会談)を実現させようと、働きかけを続けている。
技術や貿易を中心にした中国の対ロシア支援が、砲弾を含む軍事支援に変わり得るという不安が、ウクライナ政府にはある。
ウクライナ国家安全保障・防衛評議会のオレクシィ・ダニロフ書記は、「中国がロシアに公然と兵器を供給するようになれば、事実上、侵略者の側としてこの紛争に加わることになる」と述べた。
中国の意図は
英王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の中国担当研究員、ユー・ジエ氏は、4300キロにわたり国境を接するロシアとの関係安定化は、中国政府の利益にかなうと指摘した。
ロシアは中国政府の巨大経済にとっての石油の供給減であり、アメリカに対抗するためのパートナーだと考えられている。
中国にはイランとサウジアラビアの外交関係の正常化を仲介し、外交的勝利を収めた実績もあると、ユー氏付け加えた。
習氏にとって今回の訪問は、ロシアとウクライナを仲介する可能性を模索する機会になることもあり得るという。
20日夜、習氏にはロシア北部のペチョラ川で獲れた魚ネルマや、ロシアの伝統的な魚介類のスープ、ウズラ肉入りのパンケーキなど7品のコース料理と、ロシア産ワインがふるまわれた。
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、夕食の席でウクライナにおけるロシア側の行動について「詳細な説明」が行われることを示唆していた。ロシアと中国の代表団の公式会談は21日に予定されている。
プーチン氏はICCの設置法「ローマ規程」を批准する123カ国に入国すれば、逮捕される可能性がある。中国はこの中に含まれていない。
ブリンケン米国務長官は、ICC発表直後のロシア訪問は、中国がウクライナでの残虐行為について「ロシア政府の責任を追及する責任を感じていない」ことを示すと指摘した。
西側諸国の指導者たちは、昨年2月の侵攻開始以降、ロシアを孤立させようと試みてきた。
2023-03-21 02:55:53Z
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