【ワシントン=田島大志、ニューヨーク=金子靖志】ベラルーシ外務省は28日、ロシアが戦術核をベラルーシに配備する方針を示したことについて、国内で戦術核を受け入れる意向を表明した。ベラルーシが、ロシアの戦術核についての対応を明らかにしたのは初めて。ロシアによる核の威嚇に対し、国連安全保障理事会は緊急会合の開催を決めた。
ベラルーシ外務省は戦術核を受け入れる理由として、米欧からの「前例のない政治・経済的な圧力」に直面しているとし、米欧への「対抗措置」と主張した。ベラルーシ空軍のパイロットが核兵器を搭載可能に改修した航空機の操縦訓練を受けるが、「核弾頭の管理や関連技術はベラルーシに移転されない」とし、核拡散防止条約(NPT)に違反しないと強調した。
ベラルーシ国営通信によると、ルカシェンコ大統領が31日に国民向けに演説する予定で、ロシアの戦術核配備について国民に理解を求めるとみられる。
ロシアが戦術核をベラルーシに配備することに対し、米国のバイデン大統領は28日、ホワイトハウスで記者団に「危険な話で心配だ」と述べ、懸念を示した。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は同日、「核保有国として無謀で無責任だ」とロシアを非難した。核兵器の移動など配備に向けた具体的な動きについては、「できる限り注意深く監視しているが、動きは見られない」と述べた。
国連安全保障理事会は31日に緊急会合を公開で開くことを決めた。ウクライナが要請し、米国やアルバニアなどが支持した。
日本を含む多くの理事国は、ウクライナを侵略し、核による威嚇を行うロシアを非難する見通しだ。欧州ではロシアとベラルーシへの追加制裁を求める声が強まっており、会合でも議論されるとみられる。
一方、常任理事国であるロシアは緊急会合で、ベラルーシへの戦術核配備を正当化し、中国も同調する可能性が高い。安保理は深刻な機能不全が続いている。
2023-03-29 03:39:00Z
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