【北京=川瀬大介】北朝鮮が、新型コロナウイルス流入阻止のため禁じていた外国との人的往来を再開して以降、中国各地で北朝鮮への帰国ラッシュが始まった。外貨稼ぎのため、国連安全保障理事会の制裁決議を破って労働者を中国に再び派遣するかどうか注目される。
北京首都国際空港にある北朝鮮国営の高麗航空カウンターには26日午前、100人以上の北朝鮮住民が列を作った。複数のスーツケースを抱えていた。貿易関係者や労働者、留学生とみられ、22日と24日にも多くの住民が乗り込む姿が確認された。外交筋によると、28日午前にも遼寧省丹東から住民を乗せたバス10台近くが対岸の
北朝鮮が2020年1月、新型コロナウイルス対策として国境管理を強め、人や物の往来を制限してから、帰国できなくなった住民の不満が高まっていた。
遼寧省瀋陽の北朝鮮レストランで働く女性(28)は滞在が8年目に入り、コロナ禍では高齢の域に入った両親とのやりとりも手紙で数回許されるだけだった。女性が働く店では既に年長の同僚一人が帰国が帰国の途につき、女性は「私はまだ通知を受け取っていないが、やっと帰国のめどが立った」と喜ぶ。
北朝鮮当局が、住民を帰国させるのは韓国の文化や情報に接することを警戒した面もありそうだ。帰国者は1週間の隔離と合わせて思想教育を徹底する模様だ。事情に詳しい貿易関係者によれば、北朝鮮は9月下旬までに必要な人員の帰国を終える計画だ。
日米韓の外交筋は、北朝鮮の後ろ盾の中国が、北朝鮮労働者を新たに受け入れるかどうか注目している。
国連安保理は17年12月の制裁決議で、中国を含む加盟国で働く北朝鮮労働者を19年12月までに送還するよう義務づけたが、中国では今も多くの労働者がレストランや工場で働く。外交筋は、外国で働く北朝鮮労働者約10万人のうち、約9万5000人が中国に滞在しているとみている。
中国が北朝鮮の外貨稼ぎを実質支えており、西側のある外交筋は「中国が労働者を新たに受け入れる兆候があれば国際社会に決議違反を提起する」としている。
2023-08-28 08:27:00Z
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