北大西洋条約機構(NATO)に加盟する20数カ国が今週、ウクライナの軍事・国防能力強化の取り組みを加速させると表明する。トランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲く見通しが強まる中で、NATO首脳会議が開かれている。
ブルームバーグが確認した草案文書によると、米国と英国、フランス、ドイツを含む諸国が、2027年までのウクライナの軍事力強化ロードマップで合意するため半年以内に会合を開催すると約束する。軍事力強化の取り組みは30年代まで継続されるという。
ここ数カ月にウクライナと二国間安全保障協定を結んだ国々で構成される、いわゆる「ウクライナ・コンパクト」が取り組みを主導。全体的な目標は、ウクライナが現時点で直面する国防・安全保障上のニーズを支えるとともに、現在の戦争終了後にロシアによる攻撃が再び起きないよう抑止することだ。ウクライナ・コンパクトにはイタリア、カナダ、スペイン、バルト3国なども加わっている。
NATOのストルテンベルグ事務総長は10日、「NATOは欧州にとって有益だが、米国にとっても有益だ」と指摘。「NATOは米国をより強く、安全にしている。米国はNATOで30を超える友好国と同盟国という、他の大国にはないものを得ているからだ」と語った。
ロシアのプーチン大統領がウクライナへの攻撃を強める中で開かれる3日間の首脳会議で、NATO加盟国は団結を示そうとしている。NATOはまた、ウクライナへの防空システム追加供給も今週約束したが、その多くは過去に行った約束の繰り返しだった。
ストルテンベルグ氏はトランプ氏が11月の大統領選で勝利する場合のNATOへの影響について、不安を打ち消そうとした。トランプ氏は過去に米国のNATO脱退をちらつかせたことがあり、より最近では、防衛支出の義務を果たさない加盟国に対してはロシアの「好きなようにさせる」と発言した。
ストルテンベルグ氏は10日、NATO首脳会議が開かれる米ワシントンで、「選挙結果に関わりなく、米国は協力で信頼できるNATOの同盟国であり続けると期待している」と語った。
米国とオランダ、デンマークの首脳は10日の発表文で、オランダとデンマークが米国製F16戦闘機をウクライナに寄付し、ウクライナ軍は今夏に利用を開始できるだろうと明らかにした。ノルウェーとベルギーも戦闘機の追加提供を約束したという。
戦況は膠着
一方、ロシアとの戦争は終わりのない膠着(こうちゃく)状態に向かっていると直近の分析は示唆している。
事情に詳しい関係者によると、いずれの側も有意な前進を果たせない見込みを最新の戦況分析は示しており、長期的な膠着に陥る可能性が増している。ウクライナに現在の防衛線を維持する資源はあるが、それ以上のことはあまりできそうにないという。
匿名を条件に9日記者団に語ったNATO高官によると、プーチン氏は時間が味方するのはロシアで、戦争は25年以降も優に続くと考えている。
原題:NATO Countries Seek to Bolster Ukraine’s Future Military Force(抜粋)
2024-07-10 16:33:00Z
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