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Sunday, July 7, 2024

東京都知事選の異様な選挙運動、正常化へあらゆる検討を 社会部長・酒井潤 - 産経ニュース

東京都知事選の異様な選挙運動、正常化へあらゆる検討を 社会部長・酒井潤 - 産経ニュース

池袋駅前に設置された選挙ポスター。同じポスターが多数を占めていた=5日午後、東京都豊島区(鴨志田拓海撮影)
池袋駅前に設置された選挙ポスター。同じポスターが多数を占めていた=5日午後、東京都豊島区(鴨志田拓海撮影)

«たぶてにも 投げ越しつべき 天の川 隔てればかも あまたすべなき»

石つぶてを投げても届きそうなのに、天の川があるから、どうすることもできない-。天を仰ぎみて詠んだ山上憶良の慨嘆が万葉集にある。

56人の七夕決戦。小池百合子氏の勝因のひとつは、いわば敵失だろう。たとえば蓮舫氏は当初、彼岸と此岸(しがん)を分かつ川のような対決軸を鮮明にした。

「反自民政治、非小池都政」「小池都政をリセット」-。立憲民主党を離れて「オール東京」を掲げたが、「反」「非」は分断を想起させた。「リセット」は「良い政策は発展させる」と後退し、支援を受けた共産党の政策と公約が仕分けしにくくなった。

国政の状況は当然、地方選挙に影響し、地方選挙の結果は政局に波及する。しかし、あえて絡めるのは失当だ。「国政の代理戦争などと馬鹿(ばか)げたまねはやめてもらいたい」と語った石丸氏は支持を広げ、無党派層の大きな受け皿となった。

一方で政策論議は深まらなかった。少子高齢化対策や災害への備えは各候補に等しく降りかかる課題だ。だからこそ主張に明確な差異は見いだしづらく、結果的に有権者は2期8年の小池都政に及第点を与えた。

史上最多の立候補者が乱立した都知事選は、ポスター掲示板や政見放送をいびつなものにした。公選法をはじめとした従来の枠組みが想定しない盲点を突くような動きが顕在化し、警視庁が警告に乗り出すなど看過できない状況を生んだ。

表現の自由を踏まえた規制や供託金制度の在り方、また、都内約1万4千カ所の掲示板が必要かどうかなど、突きつけられた問題は多い。あらゆる角度から検討を進める機会とすべきだろう。

民主主義を支えるのは公正な選挙だ。それをどう正常化させていくか。

天を仰いで嘆いているいとまはない。

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2024-07-07 13:24:26Z
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