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Sunday, April 2, 2023

日中外相が初会談 林芳正外相、李強・王毅氏とも面会へ - 日本経済新聞

日中外相が初会談 林芳正外相、李強・王毅氏とも面会へ - 日本経済新聞

【北京=根本涼】林芳正外相は2日、北京で中国の秦剛国務委員兼外相と会談した。3月に北京で拘束された日本人男性の早期解放を求めたとみられる。沖縄県の尖閣諸島や台湾を巡る情勢など日中には緊張がある。外相が相手国を訪問し、2国間で話し合う機会を確保する狙いがある。

両氏は就任後初めて対面で話した。昼食会をあわせた協議時間は当初予定の2時間半を上回る4時間ほどになった。

林氏は冒頭に率直なやりとりを呼びかけた。「日中関係には様々な可能性があるが、同時に数多くの課題や深刻な懸案に直面し、非常に重要な局面にある」と語った。

秦氏は「交流と意思疎通を強めて両国関係が障害を取り除き、困難を乗り越えて前進するよう推し進めていきたい」と述べた。

林氏は午後に習近平(シー・ジンピン)国家主席に次ぐナンバー2で3月に就任したばかりの李強(リー・チャン)首相と面会する。外交担当トップの王毅(ワン・イー)共産党政治局員とも会い、夕食をともにする。より習氏に近い高官に懸念を伝える。

3月に拘束された男性はアステラス製薬の現地法人の50歳代の社員で、中国で長年の勤務経験がある。中国側は国内の反スパイ法などに違反した疑いがあると説明している。

中国でビジネスを展開する日本企業で現地での駐在、事業展開への懸念が広がる。中国が2014年に反スパイ法を施行してから拘束された日本人は少なくとも17人にのぼる。林氏は拘束中の5人全員の解放を働きかける。

岸田政権が21年10月に発足して以降、閣僚が中国を訪れるのは初めてだ。岸田文雄首相は22年11月、タイで就任後初めて習氏と会談した。林氏の訪中を調整することで一致した。

林氏は中国について「主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ諸懸案を含め対話をしっかりと重ねる」との考えを示す。今回の会談でも中国による軍事的な緊張を高める行為、一方的な現状変更の試みへの懸念を伝えたもようだ。

日中外相会談で防衛当局間を緊急時に結ぶ「ホットライン」を近く運用し始めるとも確認する方針だ。日本の防衛省は3月31日に専用回線の設置が完了したと発表した。自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を避けるために意思疎通の手段を築く。

中国軍は22年8月に台湾周辺で軍事演習し、弾道ミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)内に撃ち込んだ。

中国海警局船が尖閣諸島周辺の接続水域を航行するのは22年に336日で過去最多となった。中国とロシア両軍の爆撃機の共同飛行なども相次ぐ。

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2023-04-02 06:45:12Z
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