彼は2018年にオーシャンゲート社から秘密保持契約違反で訴えられたが、内部告発者となって同社を反訴した後に解雇されたという。
反訴の書類によると、ロックリッジ氏は2018年1月にタイタンを検査するように依頼された。当時、この船はまだ深海ツアーには使用されていなかった。
ロックリッジ氏は、点検報告書の中で、ビューポートの設計に関する問題など、「重大な安全上の懸念」を指摘したという。しかし、彼が一番心配していたのは、タイタンの船体のテストが行われていなかったことだったと反訴状の中で述べている。
オーシャンゲートは、船体の故障を検知する「音響監視システム」に依存していたと、ロックリッジ氏は訴訟で述べている。
しかし、ロックリッジ氏は、このシステムは「部品が故障しそうになったとき(多くは故障が起こる数ミリ秒前)にしか表示しない」「既存の欠陥がすでに船体に影響を与えているかどうかを検出できない」と警告している。
ロックリッジ氏は訴訟で 「乗員乗客の安全のための堅牢かつ安全な製品を確保するために、このような既存の可能性のある欠陥を検出するには、非破壊検査が不可欠だった」 と述べている。
しかし彼はオーシャンゲートから、タイタンの船体は厚すぎて、弱点や接着の問題をスキャンすることができないと言われたと述べている。
ロックリッジ氏によると、検査報告書を提出した後、オーシャンゲートは彼を解雇し、 「すぐに机を片付けて敷地から出るまで約10分」 の猶予を与えたという。
オーシャンゲートの担当者は、ロックリッジ氏の訴訟についてコメントすることはできないとInsiderに語った。
ロックリッジ氏の懸念が解消されたのか、後にオーシャンゲートが彼の推奨するテストを実施したのかは不明だ。訴訟は2018年11月に示談で決着した。
訴訟から3年後、オーシャンゲートは沈没したタイタニックを見るためのツアーを開始した。3回目のツアーで、タイタン号はタイタニックへ向かって1時間以上が経過した日曜日の昼過ぎに母船との交信が途絶えた。
潜水艇には、オーシャンゲートのストックトン・ラッシュ(Stockton Rush)CEO、イギリス人冒険家のヘイミッシュ・ハーディング(Hamish Harding)氏、フランス人探検家でダイバーのポール=アンリ・ナージジョレ(Paul-Henry Nargeolet)氏、パキスタン系イギリス人の慈善家のシャザダ・ダウッド(Shahzada Dawood)氏とその息子のスレイマン・ダウッド(Suleman Dawood)氏の5人が乗っていた。
オーシャンゲートのタイタンの前身であるサイクロプス-1に副操縦士が座っている。
David L. Ryan/The Boston Globe via Getty Images
アメリカとカナダは大規模な捜索・救助活動を開始したが、この潜水艇に何が起こったのかは今のところわかっていない。しかし、船体が損傷した可能性があり、水深を考えると乗客全員が死亡する恐れがある。
アメリカ沿岸警備隊によると、タイタンの船体が無傷であったとしても、アメリカ東部時間6月22日の午後には酸素がなくなるという。
タイタンの安全性問題を提起したのはロックリッジ氏だけではなかった。
ニューヨーク・タイムズは6月20日、海洋技術協会がラッシュCEOに宛てた2018年の書簡を掲載した。書簡では、オーシャンゲートの潜水艇による 「実験的アプローチ」 の安全性について 「満場一致の懸念」が表明されている。
2023-06-21 06:45:00Z
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