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Monday, July 17, 2023

日本とサウジアラビア、外相の戦略対話を創設 首脳会談で合意 - 日本経済新聞

日本とサウジアラビア、外相の戦略対話を創設 首脳会談で合意 - 日本経済新聞

訂正2023年7月16日公開の「日本とサウジ、外相の戦略対話を創設」の地図中、カタールの説明はアラブ首長国連邦(UAE)の、UAEの説明はカタールの誤りでした。地図は修正しました。

【ジッダ=上田志晃】岸田文雄首相は16日、中東3カ国訪問の最初の国であるサウジアラビアに到着した。同国西部のジッダでムハンマド皇太子と会談した。両国の外相による戦略対話の創設で合意した。安全保障や経済など幅広い分野について中長期で話し合う場をつくる。

早期に外相の対話を開始すると一致した。中東を巡っては中国が巨額の投資を背景に関与を強める。3月にはサウジとイランのおよそ7年ぶりの国交回復を仲介するなど政治面でも影響が増す。

首相は首脳会談で自由で開かれたインド太平洋の理念を伝え、ロシアや中国を念頭に一方的な現状変更への反対を訴えた。東アジアや中東情勢に関し緊密に連携すると確認した。

ウクライナ侵攻についても議論した。北朝鮮を巡ってはムハンマド氏が「日本の立場を強く支持する」と述べた。外相の戦略対話により定期的にこうした考えを共有する。

サウジから日本への渡航者の査証(ビザ)に関し、要件の満たした人へ一定期間に複数回の訪日を可能にする措置を検討する。

両首脳は脱炭素に向けた協調を重視した。中東を水素やアンモニアなど次世代燃料や鉱物資源の世界的な供給地にする「グローバル・グリーン・ジャーニー」構想を新たに掲げた。

中東が持つ豊富な石油や天然ガスを原料に、日本が持つ脱炭素の技術を掛け合わせて次世代エネルギーを世界に送る狙いだ。燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さないアンモニアの共同生産に向け双方の官民による枠組みを設ける。

電気自動車(EV)に不可欠なレアアース(希土類)の探査への共同投資も新たな構想に盛り込んだ。日本が鉱山探査の知見があるJOGMECがサウジの初期調査を技術的に支援する。

サウジは2060年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げる。石油主体の経済構造からの脱却をめざすものの、急激な化石燃料の廃止には警戒感もある。

日本は国ごとの実情に応じた段階的な脱炭素を主張しており、認識を共有しながら外交関係を深める方針だ。

首相は首脳会談に先だってサウジなど中東6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)のブダイウィ事務局長とも会った。中断していた自由貿易協定(FTA)の交渉を24年に再開することで一致した。

日本からGCC向けの輸出には原則として5%の関税がかかっている。関税撤廃により自動車輸出などを活発にし経済の結びつきを強める。日本とGCCで外相会合を定例にするとも確認した。

首相は16日、サウジへの出発に先立ち首相公邸で「グローバルなエネルギー安全保障と現実的なグリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けて緊密に連携を確認したい」と語った。アラブ首長国連邦(UAE)とカタールも訪れる。19日に帰国する。

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2023-07-17 12:00:00Z
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