イスラエルの空爆が続くパレスチナ自治区ガザ地区で28日、市民が支援物資の倉庫に押し入り、物資を奪った。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が29日、発表した。UNRWAは、「治安が乱れ始めた悪い兆しだ」としている。
UNRWAによると、ガザ地区中部デイル・アル・バラフにある倉庫に多くの住民が押し入り、小麦粉や小麦、衛生用品といった生活必需品を奪った。国連が運営する倉庫としては2番目に大きく、国連が運び込んだ人道支援物資が保管されている。
また、中部や南部の他の保管施設でも同様に、物資が奪われたという。
国連世界食糧計画(WFP)のアベール・エテファ報道官はBBCに対し、「人々が直面している困難な状況」を考えれば、倉庫への襲撃は「予測されていたこと」だと話した。
「要するに、みんな必死で、飢えているのだ」と、エテファ氏は付け加えた。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは10月7日にイスラエル南部を襲撃し、約1400人を殺害。約230人を人質として連れ去った。それ以来、イスラエルはガザ地区に空爆を続けており、地上侵攻も開始した。
国連は、この攻撃によってガザ地区の人口240万人の半数以上が家を追われ、建物数千棟が破壊されたと指摘している。
ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、同地区ではこれまでに8000人以上が殺された。
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家を失い、国連の倉庫から物資を奪ったガザ市民らはAFP通信に対し、「小麦粉もない、救援物資もない、水もない、トイレすらない」と話した。
ガザ住民のアブドゥラフマン・アル・キラニさんは、「私たちの家は破壊された。誰も私たちをかえりみない。世界の人たちに言いたい。国際社会の主要勢力はみんな私たちの敵だ。私たちには支援が必要で、切羽詰まっていなければ、物資を奪ったりしなかった」と語った。
ハマスの攻撃以来、ガザ地区への搬入が認められた支援物資は非常に少なく、燃料は持ち込みが許されていない。イスラエルは、ハマスが供給物資を利用して紛争を続けることが懸念されると主張する。
しかしイスラエル国防軍(IDF)高官は29日、数日内にガザ地区への支援拡大を許可すると示唆した。
IDF報道官のダニエル・ハガリ少将は、動画での声明をソーシャルメディアに投稿。この日にも、エジプトとアメリカからの人道支援物資がガザ地区に入るだろうと述べた。ただし、詳細は明かさなかった。
一方、エジプト外務省のアフメド・アブ・ぜイド報道官は、イスラエルが煩雑なセキュリティーチェックを実施して援助物資の輸送を「妨害」していると非難した。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ガザ地区の状況は刻一刻と絶望的になっていると述べた。
「安全な行き先がどこにもない200万人以上が、絶え間ない爆撃にさらされながら、食べ物や水、屋根のある場所、医療といった生活必需品を得られずにいる。私は、責任ある立場にある全員に、今の瀬戸際から一歩下がることを強く求める」と、事務総長は強調した。
2023-10-30 04:30:00Z
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