【ワシントン=田島大志、カイロ=西田道成】米軍は2日、ヨルダンの米軍拠点で米兵3人が殺害された無人機攻撃に対する報復として、イラクとシリアで親イラン武装勢力などが使用する7拠点への攻撃を始めたと発表した。イスラム主義組織ハマスとイスラエルの戦闘が続く中東地域の緊張が一段と高まるのは必至だ。
バイデン大統領は攻撃開始後の声明で「対応は今日始まった。我々の選ぶタイミングと場所で継続する」と述べ、攻撃を続ける考えを表明した。一方、「米国は中東や世界のいかなる場所でも紛争は求めない」として、紛争拡大を防ぎたい意向も示した。
米政府などによると、米東部時間2日午後4時頃から、7拠点で管制施設やミサイル、無人機の保管庫など85か所以上を標的に125発超の精密弾で空爆した。中東を拠点とする米中央軍の戦闘機のほか、米本土から戦略爆撃機B1も加わった。
イラクのシャファク通信は、シリアとの国境に近いイラク西部の親イラン武装勢力の軍事施設が空爆を受け、2人が死亡し、5人が負傷したと伝えた。イラク軍は声明で「空爆はイラクの主権を侵害した。地域の安全と安定に悲惨な結果をもたらすだろう」と米国を非難した。在英のシリア人権監視団によると、シリア東部では26か所が空爆を受け、戦闘員18人が死亡したという。
米軍が親イラン勢力への報復で複数拠点へ大規模な攻撃を実施したのは、イエメンの反政府勢力「フーシ」に対する今年1月12日の空爆以来となる。米政府高官は2日、記者団に「攻撃は成功したと考えている」と語った。
今回はイランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」の拠点も対象としたが、イラン本土は含めなかった。米政府高官は「標的は革命防衛隊とその支援組織の能力を低下させるために選んだ。イランとの戦争は望んでいない」と述べ、イランとの直接の衝突を意図的に避けたことを示唆した。
昨年10月17日~今年1月29日に中東の米軍拠点は165回の攻撃を受けた。1月28日の無人機攻撃ではイスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦の支援などに当たっていた米兵3人が死亡し、40人以上が負傷した。米政府は、親イラン組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が実行したとの分析を示し、報復を予告していた。
2024-02-03 02:14:00Z
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