【キーウ=笹子美奈子】米紙ニューヨーク・タイムズは27日、国際原子力機関(IAEA)の調査団が、ロシア軍の占拠下にあるウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所を近く訪問する方向で調整していると報じた。露国防省は、27日から28日にかけても原発への砲撃があったと主張しており、原子力災害の危機は収拾していない。
ニューヨーク・タイムズが入手した調査団のリストによると、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が団長を務め、10人以上の専門家が同行する見通しだ。当事国双方に配慮し、ウクライナを支持するポーランドやリトアニアに加え、ロシア寄りとされる中国やセルビアの専門家を入れた一方、米英の専門家は含まれていないという。
調査団が現地入りするルートを巡っては、露軍占領地域を通過するよう主張するロシアとウクライナが対立してきたが、ロシア側は態度を軟化させているという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、調査団の訪問時期について「週の前半は確実だ」との複数の関係筋の証言を紹介し、「29日に予定されている」との見方も伝えた。調査団は、原発で使う機器の交換部品や放射線量の測定装置なども届ける予定だという。
調査団の訪問を前に、露軍側は原発で働くウクライナ人職員に、実情を話さないよう圧力を強めているようだ。露治安当局は24日、現地職員2人を、ウクライナ軍に協力した疑いで拘束したことを明らかにした。
英紙テレグラフは25日、露軍側が、ウクライナ人職員の口を封じるために脅迫を重ねていると報じた。出勤途中に拘束したり、地下室に連行して拷問すると脅したりする手口が使われており、恐怖から何も話さなくなる職員もいるという。
2022-08-28 09:32:00Z
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiNGh0dHBzOi8vd3d3LnlvbWl1cmkuY28uanAvd29ybGQvMjAyMjA4MjgtT1lUMVQ1MDE0NC_SAQA?oc=5
No comments:
Post a Comment