ロバート・グリーノール、BBCニュース
ウクライナ南部のドナウ川沿いの港で24日、ロシアのドローン(無人機)による攻撃があり、穀物貯蔵施設が破壊された。現地当局が発表した。
破壊された施設は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のルーマニアから、ドナウ川を挟んだだけの至近距離にある。
当局によると、4人が負傷し、うち1人は重傷だという。
ロシアは今月17日、ウクライナが黒海経由で小麦やトウモロコシなどを輸出できるようにする協定から離脱した。そのため、ドナウ川はウクライナにとって重要な輸出ルートとなっている。
黒海の港湾都市オデーサも毎晩のように攻撃を受けており、穀物倉庫が破壊されている。
当局によると、この1週間で6万トン以上の穀物が被害を受けている。
穀物の世界市場では、ロシアが輸出協定から離脱してから1日のうちに、穀物価格が8%上昇した。
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協定の破棄を受け、ロシアはウクライナの港湾に対する攻撃を再開させている。
オデーサ州のオレフ・キペル知事は、州内のドナウ川のレニ港とイズマイル港が、ロシアによって4時間にわたってイラン製ドローンで攻撃されたと、自らのテレグラムのチャンネルで明らかにした。穀物の貯蔵施設が破壊されたという。
別の現地当局者らは、倉庫3棟が爆撃されたとしている。
キペル氏によると、攻撃してきたドローン約15機のうち3機を防空網で破壊したという。
ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領は、同国に「非常に近い」場所で攻撃があったと、ツイッターで非難。
「最近の状況悪化は、黒海の安全保障に深刻なリスクをもたらす。UA(ウクライナ)の穀物輸送と、ひいては世界の食料安全保障にも、さらなる影響を及ぼす」とした。
ルーマニアのメディアは、ドナウ川の対岸で兵士らが明るい光を見たり、ドローンが接近する音や爆発音を聞いたりしたと報じた。
ジャーナリストの1人は、ウクライナでの戦争が始まって以来、ルーマニアに最も近い攻撃だったと伝えた。レニは、ドナウ川を挟んでルーマニアから約200メートル、同国の港湾都市ガラツィからは約10キロメートルの距離にある。
別ルートで輸出しているが
ロシアがウクライナを侵攻して以来、ドナウ川や、ウクライナからポーランドやルーマニアなど近隣各国に延びる道路や鉄路は、輸出ルートとして使われてきた。
川を通って輸出された穀物は昨年、200万トンに上った。前年は60万トンだった。
しかし、これらのルートで運べる量は、ウクライナの本来の輸出量のごく一部でしかない。また、海上輸送に比べ、物流コストがはるかに高い。
東欧を経由する輸出は、近隣諸国の農家の怒りを買っている。ウクライナの穀物が市場にあふれ、価格を引き下げているからだ。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナから穀物を輸入していたアフリカ諸国に対し、ロシアが「商業ベースでも無償ベースでもウクライナの穀物を代替できる」としている。
モスクワでは今週、ロシア・アフリカ首脳会議が予定されている。
ウクライナは世界7位の小麦輸出国で、欧州の穀倉地帯と呼ばれる。国土の71%を農地が占めている。
2023-07-25 01:44:25Z
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