2023-04-30 23:04:49Z
https://news.google.com/rss/articles/CBMiPGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2tlaS5jb20vYXJ0aWNsZS9ER1haUU9HTjAxMEEwMFIwMEMyM0E1MDAwMDAwL9IBAA?oc=5
ロシアが一方的に併合したクリミアにある石油施設の大規模火災で、ウクライナ軍の報道官は大規模な反撃への布石だと述べました。
ウクライナ軍のグメニュク報道官は30日、「ロシア軍の兵站(へいたん)が弱体化している。今回の火災は大規模な本格攻勢への布石となる」と述べました。
ゼレンスキー大統領は北欧メディアのインタビューで反撃の準備を進めていると認めたうえで、成功するかどうかは欧米の軍事支援にかかっていると訴え、迅速な支援を求めました。
また、2014年以来、ロシアの実効支配が続くクリミアを奪還する意思を改めて強調しています。
一方、ロシアの安全保障問題の専門家マーク・ガレオッティ氏はイギリスのサンデー・タイムズ紙に寄稿し、ウクライナ軍は防空システムの不足など準備が整っておらず、反撃は大きな結果を残さないだろうとの見方を示しました。
また、ウクライナの指導者が自らを政治的に追い詰めているため、反撃の延期は困難になっているとも指摘しています。
また「信頼できるAI」を普及させるため、AIの適切な利用に向けた行動計画を採択し、国際機関で課題や影響を分析することを確認しました。
さらに、国境を越えて自由にデータをやり取りする「DFFT」の実現に向け、共通の枠組みを設立することも合意しました。
このほか、ロシアによる侵攻でデジタルインフラが被害を受けたウクライナへの支援についても確認しています。
各国は、AIやデータの活用をめぐって、中国などを念頭に新たな偽情報の拡散も懸念していて、民主主義的な価値観に基づいて閣僚声明を取りまとめ、採択した形です。
【ソウル=時吉達也】北朝鮮の朝鮮中央通信は30日付の論評で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への抑止力強化を表明した米韓の「ワシントン宣言」に対し、「北朝鮮敵視政策を集約した産物」と非難。「必ず高い代価を支払う」と主張した。
北朝鮮は29日にも金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長がワシントン宣言を非難。連日の米韓批判を通じ、核開発を加速させる意向を強調した。
論評は、バイデン米大統領が「北朝鮮が核攻撃を行えば、政権の終末を招くことになる」と言及したことに対し「世界が見守る中、1つの主権国家を絶滅させるという暴言を吐き出した」と主張。朝鮮半島情勢が「より一層危険な局面に入る」とし、「相応する抑止力を高めるのは当然だ」と核開発を正当化した。
さらに、米国の核兵器などによる拡大抑止を強調する韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対しても「反民族的で米国に屈従する行動」と反発。韓国を「核戦争の火薬庫、前哨基地に転落させている」と非難した。
新型コロナウイルス関連の制限緩和による観光需要の高まりを受け、自治体で「宿泊税」を導入する動きが広がっている。人口減少で税収が減る中、独自財源の確保策として注目されるが、コロナ禍で下火になっていた。収入は主に観光振興に使われるが、実質的な値上げになるため慎重な意見もある。(田ノ上達也)
宿泊税条例を昨年3月に設けた長崎市は、コロナの感染状況を踏まえ、今月1日から課税を始めた。税額は宿泊料金に応じて1人1泊あたり100~500円。初年度は約3億7000万円の税収を見込んでおり、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の展示施設整備や体験型プランづくりの支援に充てる方針だ。
コロナ禍前は年間約270万人だった宿泊客も、21年は約114万人に減っている。担当者は「訪れた人の満足度や利便性を高めることで、さらに宿泊客が増えるという好循環につなげたい」と話す。
国際的なスキーリゾートとして知られる北海道ニセコ町は3月、宿泊料金の2%を徴収する定率制の宿泊税導入を目指すと発表した。宿泊事業者らの意見を踏まえ、今年度中にも条例案を議会に提出する計画だ。試算では、宿泊客がコロナ禍前の水準まで回復すれば年間2億円の税収を期待できる。地域交通の整備や、災害や感染症の影響を受けた事業者を支援する基金の創設などに使うという。
松江市は導入を検討する有識者会議を今年度中に設ける方針で、担当者は「観光という重要な産業を伸ばすには新たな財源の確保が必要だ」と話す。
ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島の港湾都市セバストポリのラズボジャエフ首長は4月29日、市内の燃料タンクで大規模火災が起きたと交流サイト(SNS)で発表した。同氏は、火災で1千平方メートル以上が延焼したが、死傷者はないと指摘。「火災の原因はドローン攻撃だとみられる」と主張した。セバストポリは、ウクライナへのミサイル攻撃を続ける露黒海艦隊の本拠地。
この火災について、ウクライナ国防省情報総局のユソフ報道官は29日、同国中部チェルカスイ州ウマニの集合住宅にミサイル攻撃を行ったロシアに対する「神罰」だとし、報復攻撃だったことを示唆した。ユソフ氏はまた、「火災により露黒海艦隊用の燃料4万トンが失われた」との見方を示した。ウクライナメディアが伝えた。28日のウマニへのミサイル攻撃では、子供6人を含む民間人23人の死亡が確認され、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアを非難していた。
クリミアでは昨年8月、露軍施設で相次いで爆発が発生。同年10月にも露本土とクリミアを結ぶ橋で爆発が起きた。一連の爆発を巡り、ウクライナ側は関与を明言していないものの、ウクライナ南部に展開する露軍の補給路となっているクリミアを攻撃することで、将来的な反攻を有利に進めるためのウクライナ軍の作戦だとの見方が強い。
一方、ゼレンスキー氏は29日、複数の欧州メディアのインタビューに応じ、「われわれは確実にクリミアを解放する」と強調。東・南部の被占領地域に加え、クリミアも奪還する意思を改めて示した。
前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は29日、最激戦地の東部ドネツク州バフムトやアブデエフカ、リマン方面などで激戦が続いていると発表した。
機体の回収は、早ければ30日にも行われるとみられます。
陸上自衛隊は機体を引き上げて調べるとともに、フライトレコーダーも回収して事故原因の究明を進めることにしています。
また、自衛隊は4月18日に見つけた隊員とみられる1人を作業の状況に応じて引きあげるとともに、行方が分かっていない4人の捜索を続けています。
陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、民間の作業船による機体の回収に向け29日、準備が進められました。機体の回収は早ければ30日にも行われるとみられます。
今月6日、陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島の周辺で消息を絶ち、乗っていた隊員10人が行方不明になった事故では、これまでに5人の死亡が確認されています。
隊員が見つかった水深106メートルの海底では、胴体部分とみられる損壊した機体の一部のほかに操縦席や尾翼とみられる部分も見つかり、それぞれは分離していたことが防衛省関係者への取材で分かっています。
現場海域では29日午前、民間の作業船「新世丸」から無人探査機や大型のネットが海中に下ろされました。
防衛省関係者によりますと、ネットは機体をつり上げるために海底に敷かれ、その後、機体をワイヤーでつり上げネットの上に乗せ、ネットで包み込むようにしてクレーンで引き上げることになっています。
機体の回収は早ければ30日にも行われるとみられます。
陸上自衛隊は機体を引き上げて調べるとともにフライトレコーダーも回収して事故原因の究明を進めることにしています。
また、自衛隊は今月18日に見つけた隊員とみられる1人を作業の状況に応じて引きあげるとともに、行方が分かっていない4人の捜索を続けています。
厚生労働省は29日、都内で新たに1915人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
1週間前の土曜日より438人増えました。
前の週の同じ曜日を上回るのは13日連続です。
また、人工呼吸器かECMO=人工心肺装置を使っている重症の患者は、28日と同じ4人でした。
一方、感染が確認された3人が死亡しました。
日本政府が28日、韓国を輸出審査優待国、いわゆる「ホワイトリスト(白色国)」に再分類すると発表した。ホワイトリスト指定は、半導体素材など武器生産につながり得る機微な品目を輸出する上で問題がない友邦国と認めてあげる、という意味だ。韓国大法院(最高裁に相当)の日帝強占期徴用被害者賠償判決を巡る対立の余波で4年近く続いた韓日両国間の経済・安全保障制裁は、これで全て解かれた。
日本の経済産業省は28日、..
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統一地方選の大阪府・市議選で地域政党・大阪維新の会に大敗した自民党が、大阪での党勢立て直しに危機感を強めている。党本部主導で府連改革に乗り出す考えだが、反転攻勢につながるかどうかは不透明だ。公明党は次期衆院選での日本維新の会の出方を注視している。
「大阪府連を再生するためにしっかりやっていきましょう」
自民党の茂木幹事長は28日、党本部を訪れた府連会長の宗清皇一衆院議員らを前にこう強調した。
会合には、森山裕選挙対策委員長、世耕弘成参院幹事長ら党幹部が同席。府連側は立て直しに向け、党本部の支援を要請した。5月の大型連休明けにも、党本部と府連の幹部で構成する「大阪自民党刷新プロジェクト」(仮称)を発足させ、組織運営や選挙対策などで党本部が関与を強める見通しだ。
宗清氏は会合終了後、記者団に「党本部と連携というより、一緒にやっていきたい」と語った。
交通機関に遅れが生じる可能性があるので、最新の気象情報に加え、運行情報も確認が欠かせません。
また、GW後半の4日(木)頃からは気圧の谷や前線などの影響を受けて天気の崩れるところが多くなる見通しです。現時点では、雨の範囲やタイミングなどの不確実性が大きいため、こまめに最新情報をご確認ください。
>>ドライブリスク予報
発がん性の恐れが指摘される化学物質「
「人体への影響を明らかにし、汚染対策の指針を示してほしい」。大阪府摂津市の市民団体のメンバーらが3月8日、PFASの一種、
同市内にある空調機器大手「ダイキン工業」の工場では1960年代から、自動車部品などの製造過程でPFOAを使ってきた。しかし、米環境保護局が米国内に拠点を持つ同社などにPFOAの使用停止を求めたため、2012年に使用を中止した。
その後は周辺の地下水をくみ上げ、活性炭でPFOAを除去していたが、環境省の20年度の調査では、工場近くの大阪市内の地点で、国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム=ナノは10億分の1)の110倍にあたる5500ナノ・グラムを検出。2年後の府の調査でも、周辺の用水路から6500ナノ・グラムが検出された。
府は地下水を飲まないよう呼びかけ、同社は追加の対策を公表したが、住民の不安は消えない。市民団体の谷口武事務局長は「周辺では農作物を育てているし、子供への影響も心配。国が責任を持って監督してほしい」と訴える。
PFASの有害性が注目され始めたのは2000年代。米疾病対策センターが、血中濃度が高まると腎臓がんや精巣がんのリスクが高まる可能性を指摘した。国連のストックホルム条約会議で19年までに、PFASの一種であるPFOAと
環境省は20年、PFOAとPFOSを含む2リットルの水を毎日飲んでも健康に影響がないレベルとして、含有量の暫定目標値を設定。21年度の調査では全国1133地点のうち、13都府県の81地点で暫定目標値を超過した。
だが自治体の対応は、井戸水の利用停止や河川からの取水停止を呼び掛ける程度にとどまる。環境省が作成した手引には、「排出源の特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討する」とあるだけで、具体策を示していないからだ。
神奈川県は超過地点で独自に検査を続けているが、付近に排出源となるような工場はない。県大気水質課の関猛彦課長は「住民の不安を
5人は、首都ハルツームの中心部から北に30キロあまりのところにあるスーダン空軍の基地まで自力で向かったあと、日本時間の27日夜、カナダ軍の輸送機でスーダンを離れたということです。
5人の健康状態について武井副大臣は「医師によるメディカルチェックを受け、特に問題はなかった」と述べました。
さらに、外務省によりますと、この5人とは別に日本人1人もヨルダンに退避していたことが確認されたということです。
これによって、スーダンから退避したのは、日本人57人とその家族8人のあわせて65人となり、政府は、このうち日本への帰国を希望する人を民間のチャーター機で輸送する方向で調整を進めています。
軍と準軍事組織との間で武力衝突が起きているスーダンでは、コレラ菌などの病原体を保管する研究所が占拠されました。WHO(=世界保健機関)は「生物災害が起きるリスクが高い」と懸念しています。
ロイター通信は25日、現地のWHO担当者の話として、ハルツームにあるコレラ菌などの病原体を保管する国立の研究所が占拠されたと報じました。研究所から技術者が追い出され、安全に管理できる状況が維持できていないということです。
このため、WHOの担当者は、病原体が外部に流出し、バイオハザード(=生物災害)が起きるリスクが高いと懸念を示しています。一方、軍か準軍事組織「RSF」のどちらが占拠したのかについては明らかにしていません。
15日から始まった武力衝突では、これまでに459人が死亡し、4000人以上がケガをしています。
岸田首相は25日午前、戦闘が続くアフリカ北東部スーダンから、大使館関係者を含む在留邦人とその家族計8人が新たに国外に退避したことを明らかにした。官邸で記者団に語った。
首相は「(スーダンの首都)ハルツーム市内で、退避を24日までに希望していた大使館員を含む全ての在留邦人の退避が完了した」と説明した。
【ワシントン=坂本一之】ブリンケン米国務長官は24日、アフリカ北東部スーダンで戦闘を続ける正規軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)が24日から72時間の停戦に合意したと発表した。ブリンケン氏は声明で、双方に「停戦の即時かつ完全な実施」を求めた。バイデン米政権はスーダンに残る米国人の退避などに備え、米軍艦船を同国沖に展開させる。
声明はまた、「恒久的な戦闘停止の支援に向け、米国は地域や国際社会のパートナー、現地の関係者と連携していく」とし、人道支援を含めた当事者間の交渉や合意の履行を監視する委員会の必要性を示した。
米国防総省のライダー報道官は24日の記者会見で、米海軍のミサイル駆逐艦トラクスタンがスーダン沖で待機すると明らかにした。米国人の退避を支援するため米軍が24時間体制でスーダンの状況を監視しているとも述べた。
岸田首相は24日深夜、首相公邸で記者団に対し、戦闘が続くアフリカ北東部スーダンの在留邦人ら約60人のうち、45人が周辺国ジブチに向けて退避していると明らかにした。ジブチに待機させていた航空自衛隊の輸送機「C2」をスーダンに派遣し、移送した。このほか、フランスなどの協力で在留邦人4人が国外に退避したが、スーダン国内には退避を希望する邦人が数人残っている。
日本政府関係者によると、自衛隊機に搭乗している在留邦人らは、スーダンの首都ハルツームを陸路で出発し、2ルートに分かれて、自衛隊機が待機するスーダンの都市ポートスーダンに向かった。ジブチ到着後は、希望に応じて日本への帰国などを調整する。紅海沿岸に位置するポートスーダンはハルツームの北東約670キロ・メートルに位置している。
日本政府は希望する全員の救出を急ぐ方針で、首相は「引き続き関係各国と連携し、早期の退避に全力を挙げて対応していく」と語った。関係国との連絡・調整のために、武井俊輔外務副大臣をジブチに派遣している。
日本政府は、スーダンからの邦人輸送に備え、自衛隊の拠点があるジブチに、空自の輸送機「C2」、「C130」と空中給油・輸送機「KC767」の計3機を派遣。24日には、日本から輸送機2機を追加でジブチに向かわせた。自衛隊機による在外邦人輸送は、2021年にイスラム主義勢力タリバンが全土を掌握したアフガニスタンからの作戦以来となる。
退避活動を巡っては、仏政府が24日、388人を仏軍輸送機でスーダンからジブチに退避させたと発表した。日本人2人が含まれている。韓国大統領府の発表によると、韓国人28人が陸路でポートスーダンの空港に移動し、韓国軍用機でサウジアラビアに向かった。日本人数人も同行したと明らかにしたが、詳細は発表していない。
林外相は24日夜、スーダンに影響力を持つサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の各外相と相次いで電話会談を行い、スーダンの在留邦人の安全確保に向けた協力を要請した。両国外相は全面的に協力する意向を示した。
アフリカのスーダンの情勢が悪化する中、フランス政府は24日、首都ハルツームからあわせて388人をフランス空軍によって周辺国のジブチに退避させたと発表しました。この中には自国民のほか、日本人を含む外国人もいるとしていますが、詳しい人数の内訳は明らかにしていません。
一方、ジブチに派遣された自衛隊の部隊が輸送機で退避させる計画などを進めているとみられます。
フランス政府は24日、スーダンでの2日間にわたる退避作戦の結果、首都ハルツームからあわせて388人をフランス空軍によって周辺国のジブチに退避させたと発表しました。
この中には自国民のほか、日本人を含む外国人もいるとしていますが、詳しい人数の内訳は明らかにしていません。
一方、自衛隊は、スーダンにいる日本人の国外退避に向けて、C130輸送機とC2輸送機、KC767空中給油・輸送機の合わせて3機を周辺国ジブチに派遣しました。
ジブチの国際空港にある自衛隊の活動拠点では、日本時間の24日午前0時すぎの時点で3機のうちC2輸送機など一部の機体が確認できましたが、現地が日没を迎えたことなどから、その後の機体の状況や活動拠点の様子は外側からはうかがえませんでした。
派遣された部隊は、外務省などと連絡を取り合いながら、陸路で移動してきた在留邦人を自衛隊の輸送機に乗せてスーダン国外に退避させるものとみられます。
また、およそ60人の在留邦人の生命や身体に影響が及んでいるとの情報には接していないとした上で、「政府としては引き続き関係国と緊密に連携するとともに関係者一丸となって対応に万全を期していく考えだ」と述べました。
スーダンからの国外退避を巡り、約60人いる在留邦人の一部が、首都・ハルツームから陸路で同国内の別の都市に移動を始めたことが、関係者への取材でわかった。政府は、周辺国のジブチからその都市の空港に自衛隊機を派遣し、邦人らを退避させる方向で調整している。
スーダン国軍と「即応支援部隊」(RSF)は、21日から3日間の一時停戦で合意している。政府はこの期限をにらみながら、邦人退避の準備を進めており、早期にジブチなどに移動させたい考えだ。
防衛省によると、国外退避の活動は、航空自衛隊と陸自の計約370人で編成した部隊が担っている。ジブチには、海賊対処活動を行う自衛隊の拠点があり、空自の輸送機「C130」や「C2」、空中給油・輸送機「KC767」の計3機が到着している。
岸田首相は24日午前、首相官邸で記者団に、「現地の状況を踏まえながら、鋭意対応している。関係各国と緊密に連携しながら、邦人の安全確保、退避に全力を挙げて対応していきたい」と述べた。
衆参5補欠選挙と第20回統一地方選の後半戦は23日、投開票された。補選で自民党は、衆院千葉5区で英利アルフィヤ氏(34)、山口2区で岸信千世氏(31)、山口4区で吉田真次氏(38)、参院大分選挙区で白坂亜紀氏(56)がそれぞれ当選し、「4勝1敗」で勝ち越した。衆院和歌山1区は日本維新の会の林佑美氏(41)が勝利し、和歌山県では初めての議席を得た。今回の結果は、岸田首相の衆院解散戦略にも影響を与えそうだ。
補選では、政府の物価高・少子化対策や外交・安全保障政策などが主な争点となった。与野党は、岸田内閣の「中間評価」となる選挙と位置付け、総力戦を展開した。選挙期間中の15日には、首相が和歌山市の遊説先で、爆発物を投げ込まれる事件が起きた。
千葉5区補選は、自民議員だった薗浦健太郎氏が「政治とカネ」の問題で辞職したことを受けて実施された。選挙戦は計7人の混戦となった。自民の英利氏は「これから仕事で恩返ししていきたい」と述べた。
自民は、補選の原因となった不祥事による逆風が予想されたことから、首相をはじめ党幹部を次々投入した。野党候補の乱立で、政権批判票が分散したことも有利に働いた。
山口2区補選は、議員辞職した岸信夫・前防衛相の長男の岸氏と、民主党政権で法相を務めた無所属の平岡秀夫氏(69)の一騎打ちだった。岸氏は、世襲批判を意識し、選挙戦では謙虚な政治姿勢を強調した。岸氏は「岸田政権が推し進めている安全保障、エネルギー政策に前向きに取り組みたい」と語った。
安倍晋三・元首相の死去に伴う山口4区補選は、吉田氏が「弔い合戦」を前面に出した。安倍元首相の昭恵夫人の全面的な支援も得て、他の候補を引き離した。吉田氏は「(安倍氏の)思いを引き継いで、実現させていきたい」と強調した。
参院大分選挙区補選は、大分県知事選(9日投開票)に出馬した前参院議員の辞職を受けたものだ。自民の白坂氏が、立民の吉田忠智氏(67)を破った。白坂氏は「全身全霊で日本のため、大分のために頑張っていく」と意気込んだ。
一方、和歌山1区補選は、岸本周平・前衆院議員(現和歌山県知事)の辞職に伴うもので、林氏は、維新が躍進した統一地方選・前半戦の勢いを勝利につなげた。和歌山県内の小選挙区を維新が制したのは初めて。林氏は「古い政治を新しくしてほしいとの思いが結果になった」と喜びを語った。
読売新聞社の集計によると、衆院千葉5区の投票率は38・25%で、2021年の前回衆院選から15・82ポイント下がった。和歌山1区は44・11%(前回比11・05ポイント減)、山口2区は42・41%(同9・20ポイント減)、山口4区は34・71%(同13・93ポイント減)だった。参院大分選挙区の投票率は42・48%で、22年参院選を10・50ポイント下回った。
新人5人の争いとなった衆議院山口4区の補欠選挙は、自民党の新人で公明党が推薦した吉田真次氏が初めての当選を果たしました。
衆議院山口4区の補欠選挙の開票結果です。
吉田真次、自民、新、当選、5万1961票。
有田芳生、立民、新、2万5595票。
大野頼子、無所属、新、2381票。
渡部亜衣、政治家女子、新、1186票。
竹本秀之、無所属、新、734票。
自民党の新人で公明党が推薦した吉田真次氏が初めての当選を果たしました。
吉田氏は山口県下関市出身の38歳。大学を卒業後大阪府議会議員の秘書を経て、平成23年から下関市議会議員を務め、市議会の副議長などを歴任しました。
選挙戦で、吉田氏は安倍元総理大臣の後継として憲法改正の必要性や伝統と文化を尊重する教育の推進、それに地方創生などを訴えました。
そして、自民党や推薦を受けた公明党などの支持層を固めたほか支持政党を持たない無党派層からも一定の支持を集め、初めての当選を果たしました。
4区の確定投票率は34.71%で前回・2年前の衆議院選挙を13.93ポイント下回り、過去最低となりました。
吉田真次氏は「このたびの選挙は志半ばで命を奪われてしまった安倍元総理大臣の無念や魂をみんなで引き継いで、実現しようと戦ってきた。その思いは決して変わることはない」と述べました。
厚生労働省は23日、都内で新たに1138人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
1週間前の日曜日より246人増えました。
前の週の同じ曜日を上回るのは7日連続です。
また人工呼吸器か、ECMO=人工心肺装置を使っている重症の患者は22日と同じ4人でした。
一方、感染が確認された3人が死亡しました。
献花に訪れたのは、斜里町で旅館の従業員をしている杉浦登一さんです。
勤務先の旅館は事故が起きた当時、運航会社の桂田精一社長が経営していました。
そのため、当時は全国各地から駆けつけた乗客家族たちの宿泊施設として使用され、杉浦さんもできるかぎりのことをしたいという思いから、心配そうに海辺の様子を見に行く家族たちの送迎などにあたったということです。
乗客家族たちが地元に戻ったあとも、毎月23日に欠かさず犠牲者への祈りをささげているほか、家族たちに町内の様子を伝えるなど交流を続けてきました。
あの日から1年となる23日、杉浦さんは道の駅に設けられた献花台を訪れ、事故が起きたとみられる午後1時すぎにサイレンが鳴らされると深々と頭を下げて黙とうしていました。
杉浦さんは献花台に花を手向け、手を合わせたあと「亡くなった方に哀悼の意を表するとともに、まだ見つかってない方が早く発見されるよう願いを込めて祈りました。非力ではありますが、これからもできるかぎりご家族を支えていくことが自分たちの使命だと思っています」と話していました。
衆参五つの補欠選挙と、第20回統一地方選・後半戦の市区町村長選・市区町村議選は23日、投開票(一部は翌日開票)される。5補選は岸田政権の「中間評価」と位置づけられる。選挙戦最終日の22日は、各党の党首や候補者らが「最後の訴え」で各地を駆け回った。
与野党が、衆院千葉5区、和歌山1区、山口2区、山口4区、参院大分選挙区の議席を争う。物価高対応や少子化対策、安全保障政策などが主な争点となった。
市長選では、県庁所在地の水戸、津、高松、長崎の各市でも論戦が交わされた。
岸田首相(自民党総裁)は22日、千葉県市川市の演説で、「私たちの世代で(課題に)責任を持って取り組もうと思う方は力を与えてください」と声を張り上げた。
立憲民主党の泉代表は、同県浦安市の演説で、「競い合いの政治にするため、野党、立憲民主党に力をいただきたい」と主張した。
日本維新の会の馬場代表は、和歌山市で行財政改革の必要性を強調し、公明党の山口代表は東京都内を回り、政権の実績をアピールした。
共産党の志位委員長は千葉県船橋市で支援を訴え、国民民主党の玉木代表は宮崎市で協力を求めた。
れいわ新選組、社民党、政治家女子48党、参政党もそれぞれ支持を呼びかけた。
浜田靖一防衛相は22日、北朝鮮が打ち上げを予定する「軍事偵察衛星1号機」が日本の領域内に落下する事態に備え、自衛隊に対し「破壊措置準備命令」を発出した。自衛隊はこれを受け、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備や、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦の展開に向けた作業に着手した。
北朝鮮による核・ミサイル開発進展への対処として、防衛省は平成28年8月から自衛隊法に基づく破壊措置命令を常時発令している。準備命令は、自衛隊がミサイル防衛(MD)による迎撃態勢に入る前段階で必要な作業を進めるための対応と位置づけられる。
防衛省は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「軍事偵察衛星1号機」の期日内打ち上げへの最終準備を急ぐよう指示したことなどを踏まえ、実際に破壊措置が必要になる可能性があると判断した。準備命令では、沖縄県内へのPAC3部隊の機動展開に向けた準備などを指示した。南西諸島へのPAC3配備を検討するとみられる。
北朝鮮は、宇宙開発を担う国家宇宙開発局が昨年12月に「軍事偵察衛星1号機」の準備を今年4月までに完了すると予告しており、衛星と称した飛翔(ひしょう)体を打ち上げる可能性がある。
松野博一官房長官は19日の記者会見で、北朝鮮の動向に関し「衛星と称しても弾道ミサイル技術を使用して発射を強行すれば、明白な国連安全保障理事会決議違反だ」と指摘した。
あの時、自衛隊は命令なしで出動した… コラム「The考」濱口和久
これを受けて愛知県の航空自衛隊小牧基地では、ジブチに派遣されるC130輸送機1機が、21日午後3時前に離陸しました。
防衛省関係者によりますと、輸送機は今後、数か所を経由しながら飛行し、早ければ今週末にもジブチに到着する見通しだということです。
自衛隊はこのほか、C2輸送機とKC767空中給油・輸送機それぞれ1機を準備が整いしだい、派遣するとしています。
防衛省は、スーダンの治安状況は極めて厳しく流動的な状況だとして、輸送の任務が命じられた場合に備えて、情報収集を進めることにしています。
海外に滞在している日本人の自衛隊機による輸送が行われれば6回目となります。
米国のバイデン大統領のジル夫人の招待で訪米した岸田首相の裕子夫人が20日、読売新聞のインタビューに応じた。訪米の成果として日米間の絆の再確認をあげたほか、5月19~21日に広島市で開催される先進7か国首脳会議(G7サミット)に合わせたファーストレディー(首脳夫人)外交に意欲を示した。
――16~18日の訪米を振り返って。
17日にホワイトハウスを訪ねた。ジル夫人は笑顔で歓待してくれた。私が日本から持参した道具でたてた抹茶を飲みながら懇談したり、庭でスコップを持って桜を植樹したりした。個人的な交流を深め、日米間の絆を再確認できた。桜が成長して花が咲く頃、両国の絆はますます強くなっていると信じている。
――出発前日の15日には首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれる事件が発生した。
大変ショックで心配だった。だが、主人は「気を付けて行ってきて」と激励してくれた。
――ファーストレディー外交の意義は。
首脳外交の側面支援になればいい。今回の訪米で、大統領夫妻との関係はより深まった。今後も機会があれば積極的に行い、外交に貢献できればと思う。心を通わせるような交流ができれば互いの理解が深まり、平和につながる。そういう立場でやっていく。
――広島サミットに向けての意気込みは。
日本の伝統文化、広島の文化、食べ物、風土の魅力が伝わるようなおもてなしをしたい。(聞き手・仲川高志)
日本学術会議の会員の選び方などを見直す法律の改正案について、政府は、学術会議側の理解を得るため、さらに議論を続ける必要があるとして、今の国会への提出を見送ることになりました。
日本学術会議について、政府は、国の機関として維持しつつ透明性を高めるため、会員選考に意見を述べる第三者委員会を設けることなどを盛り込んだ法律の改正案を、今の国会に提出したいとしていましたが、会議側からは「独立性が損なわれる」などと反対意見が出ていました。
岸田総理大臣は20日夕方、会議を所管する後藤経済再生担当大臣と会談し、改正案の取り扱いを協議しました。
その結果、内容について学術会議側の理解を得るため、さらに議論を続ける必要があるとして、今の国会への提出を見送ることになりました。
会談のあと、後藤大臣は記者団に「このまま改正案を閣議決定した場合、学術界と政府との決定的な決裂を招くおそれがあると考え、岸田総理大臣に相談し、改めて学術会議と丁寧に議論し、早期に結論を得るよう指示をいただいた」と述べました。
政府は今後、学術会議を民間法人とする案も選択肢に入れて議論を進めたい考えです。
岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団に「日本学術会議の見直しについては、先ほど後藤大臣から『今国会への法案提出を見送るとともに、今の政府案や民間法人とする案をしっかりそ上に乗せ、学術会議と再度議論を進めたい』という相談を受けた。私からは、改めて学術会議と丁寧に議論し、早期に結論を得るように伝えた」と述べました。
立憲民主党の泉代表は、党の会合で「日本学術会議の自治の中に、政府が過度に踏み込むことはおかしいと言ってきた。統一地方選挙の後半戦や衆参の補欠選挙を前に、強行する姿勢を見せたくないという理由なのかもしれないが、会員候補の任命を拒否した問題もまだ解決しておらず、政府には改めて任命を求めていきたい」と述べました。
日本学術会議の会員の選び方などを見直す法律の改正案について、政府は、学術会議側の理解を得るため協議を続けたいとして、今の国会への提出を見送る方針を固めました。
政府は、日本学術会議の透明性を高めるため、会員の選考に意見を述べる第三者委員会を設けることなどを盛り込んだ日本学術会議法の改正案を、今の国会に提出することを目指していて、今月17日に開かれた学術会議の総会には、担当者が出席し、改正案の具体的な内容を説明しました。
しかし会員からは「政府の意向が影響することが危惧される」などと改正に反対する意見が相次ぎ、学術会議は、政府に対し、今の国会への提出をいったん思いとどまるべきだなどとする勧告を出しました。
これも踏まえ政府は、このまま改正案を閣議決定すれば学術界との間に決定的な決裂を招くおそれがあり、学術会議側の理解を得るため協議を続けたいとして、今の国会への提出を見送る方針を固めました。
政府は、20日夕方、岸田総理大臣と学術会議を所管する後藤経済再生担当大臣が協議して、この方針を最終的に決定する見通しです。
立憲民主党の泉代表は、党の会合で「日本学術会議の自治の中に、政府が過度に踏み込むことはおかしいと言ってきた。統一地方選挙の後半戦や衆参の補欠選挙を前に、強行する姿勢を見せたくないという理由なのかもしれないが、会員候補の任命を拒否した問題もまだ解決しておらず、政府には改めて任命を求めていきたい」と述べました。
きょう20日(木)は東京都心で今年3回目の夏日(最高気温が25℃以上)になるなど、関東甲信の広い範囲で夏日になりました。長野県上田市では30.2℃まで上がり、本州では今年初めての真夏日になりました(そのほか兵庫県朝来市和田山や福島県福島市など)。
あすにかけても暖かい空気が残り、あすは朝から気温が高めです。最低気温は15℃を下回らず、あすの朝も薄着で過ごせるくらいでしょう。
最高気温は25℃以上の所が多く、汗ばむ陽気が続くでしょう。長野県と山梨県では、最高気温が30℃に迫る所もありそうです。暑さに体がまだ慣れていない時期ですので、こまめな水分補給や休憩を心がけましょう。
ただ、夜は冷たい空気が流れ込むため、空気がヒンヤリとしてきそうです。お帰りが遅くなる方は羽織る物をお持ちになってください。
東京都は20日、新型コロナウイルスの新たな感染者1449人と2人の死亡を確認したと発表した。病床使用率は11.3%。
1週間平均の新規感染者数は、20日時点で1205.1人で、前の週に比べて108.0%。都内の累計患者数は436万190人となった。
年代別では0歳19人、1~4歳14人、5~9歳29人、10代147人、20代319人、30代217人、40代224人、50代227人、60~64歳69人、65~69歳47人、70代68人、80代51人、90歳以上18人。65歳以上の高齢者は184人だった。
亡くなったのは、70代と80代の男性。
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ウクライナ大統領府は18日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、東部ドネツク州アウディーイウカの前線と中部ポルタワ州を視察し、兵士を激励したと発表した。ロシア大統領府も同日、プーチン大統領が、露軍が占領する南部ヘルソン州と東部ルハンスク州を視察したと発表していた。
ウクライナ側の発表は露大統領府の発表直後で、両国首脳が前線視察を競う形となった。プーチン氏の視察は17日と発表されているが、露独立メディアは、実際にはそれより前だった可能性もあると指摘する。
アウディーイウカは露軍が数週間前から包囲を狙い、砲撃や空爆の強化が指摘されている。英BBCロシア語版などによると、ゼレンスキー氏の視察地は戦闘の最前線から約5キロ・メートルの距離だったのに対し、プーチン氏が訪れたヘルソン州の露軍司令部は最前線から約150キロ・メートル離れていた。
陸上自衛隊の第8師団長ら隊員10人が搭乗した多用途ヘリコプターが沖縄県・宮古島周辺で行方不明になった事故で、陸自は18日、海中の捜索で隊員とみられる1人を新たに発見したと発表した。海中から見つかったのは6人目となった。
陸自によると、18日午後1時頃、伊良部島の北約6キロの海域で、深海に潜る特殊技術「飽和潜水」による捜索を実施した潜水艦救難艦「ちはや」の潜水士が、水深106メートルの海底で新たに1人を見つけた。
自衛隊は16日、この海域でヘリの一部や隊員とみられる5人の姿を確認。同日に2人、17日に2人、18日午後に1人を引き揚げた。いずれも成人の男性で、18日までに全員の死亡を確認した。
自衛隊は5人の身元の確認を急ぐとともに、海底に取り残された1人の救助を進める。残る4人についても捜索を続ける。
防衛省などによると、これまでの捜索では、飛行姿勢や高度を記録する「フライトレコーダー」は発見されていない。海中で見つかったヘリの内部に残されている可能性もあり、自衛隊は、民間のサルベージ会社などによる機体の引き揚げ作業を実施し、詳しく調べることを検討している。
浜田防衛相は18日、閣議後の記者会見で、「搭乗していた10名の隊員全員が一日も早く、ご家族の元に帰ることができるよう全力を尽くす」と語った。
事故機は6日午後3時46分、宮古島分屯基地を離陸し、同56分、同島の北西約18キロの空域を飛行中にレーダーから消えた。同機には、九州南部の防衛警備を担当する第8師団のトップを務める坂本雄一師団長(55)らが搭乗していた。
和歌山市で15日、岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された兵庫県川西市の無職木村隆二容疑者(24)の自宅から火薬とみられる粉末や金属製の筒が押収されたことがわかった。爆発した筒が約40メートル飛んでいたことも判明。和歌山県警は手製のパイプ爆弾とみて、殺人未遂容疑の適用も視野に、殺傷能力の有無を調べる。
県警は木村容疑者宅から火薬の原料とみられる粉末を発見した。パイプ爆弾に使われた可能性がある金属製の筒や、工具類など約90点を押収している。
演説会場だった漁港の現場検証では、爆発した地点から約35メートル離れた「いけす」を覆う網の上で筒が見つかった。この約5メートル先の倉庫の外壁に筒が当たったような痕跡があった。爆発の衝撃で飛んだ筒が約200人の聴衆の頭上を通過して倉庫に当たり、いけすの網に落ちた可能性がある。
木村容疑者は取り押さえられる直前、爆発した筒とは別の筒を手提げカバンから取り出し、手に持っていた。ライターも所持しており、県警は1本目の筒を首相に向けて投げた後、2本目に火を付けようとしていたとみている。
2本目の筒は爆発せずに現場に残されていた。長さ約20センチで、導火線とみられるひも状のものも確認された。
木村容疑者の手提げカバンからは、刃渡り13センチの果物ナイフも発見され、県警が所持目的を調べる。
事件は15日午前11時25分頃に発生。首相の近くに投げ込まれた爆発物が約50秒後に爆発した。首相にけがはなかったが、男性警察官1人が軽傷を負ったほか、聴衆の70歳代男性も背中に軽いけがをした。
県警は17日、木村容疑者を威力業務妨害容疑で和歌山地検に送検した。逮捕後の調べに黙秘し、雑談にも応じていない。
読売新聞社は14~16日、全国世論調査を実施し、岸田内閣の支持率は47%、不支持率は37%となり、7か月ぶりに支持が不支持を上回った。支持率は前回(3月17~19日調査)から5ポイント上がり、不支持率は6ポイント下がった。
調査期間中の15日昼前に、首相が訪れた選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件が発生したことも、内閣支持率の上昇に影響した可能性がある。事件の前の回答では支持率が4割台前半だったが、事件後は5割に上がった。
政党支持率は自民党34%(前回35%)、日本維新の会6%(同3%)、立憲民主党4%(同5%)などで、無党派層は41%(同42%)。
岸田首相が訪れた和歌山市の選挙演説会場で15日、爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された無職木村隆二容疑者(24)の自宅から鋼管や火薬のような粉末が押収されたことがわかった。木村容疑者が現場で別の筒状の物体とライターを手に持っていたことも判明。和歌山県警は少なくとも二つの爆発物を自作し、首相を襲撃しようとしていたとみている。
県警は逮捕後の16日未明から朝にかけて兵庫県川西市にある木村容疑者の自宅を捜索。火薬の原料とみられる粉末や鋼管、工具類などを押収した。事件で使われたのは、管の中に火薬などを詰め込んだパイプ爆弾とみられ、ライターで着火する仕組みだった可能性がある。県警は殺人未遂容疑の適用も視野に、爆発物の威力を調べる。
捜査関係者によると、木村容疑者は取り押さえられた際、爆発した筒とは別の筒とライターを手に持っていた。現場で木村容疑者を取り押さえた男性(54)によると、取り押さえた直後、銀色の筒が地面に転がったという。
県警は爆発物処理班を出動させて、会場内に残されていたこの筒を回収。また、現場検証では、爆発した地点から20~30メートル離れた「いけす」から筒が見つかった。県警はこれが爆発した筒で、衝撃で飛ばされたとみている。筒2本の形状はほぼ同じだった。
県警は、木村容疑者が持っていたカバンから果物ナイフ(刃渡り13センチ)1本も発見した。何の目的で所持していたのか調べる。
事件は、衆院和歌山1区補欠選挙(23日投開票)の自民党候補の演説会場だった和歌山市の
この爆発で、軽傷を負った男性警察官のほか、新たに聴衆の70歳代男性も背中に軽いけがをしていたことが判明した。事件による負傷者は計2人となった。
和歌山県警は17日、木村容疑者を威力業務妨害容疑で和歌山地検に送検した。木村容疑者は逮捕後の調べに「弁護士が来てから話す」と述べた後、黙秘し、雑談にも応じていない。
捜査関係者によると、同居する家族は木村容疑者について、仕事はしておらず、自宅に引きこもっていたと説明しているという。
県警は自宅の捜索で木村容疑者のスマートフォンやパソコンも押収しており、今後、動機の解明に向けて解析を行う方針だ。
主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相は16日の札幌市での会合で、二酸化炭素(CO2)削減への対策を講じていない化石燃料の使用の廃止に向けた取り組みを強化することで合意した。新たに天然ガスを対象に加え、段階的な廃止に着手する。欧州とカナダが求めていた石炭火力発電所の廃止時期の明記は見送った。
日本が議長国を務め、15日から2日間の日程で協議した。16日に共同声明を採択して閉幕した。
共同声明に「未対策の化石燃料の段階的廃止を加速するという世界的な努力の文脈でコミットメントを強調する」と記した。従来は段階的廃止の対象を石炭に限っていた。今回は「化石燃料」とし、天然ガスなどに広げた。石炭火力の廃止時期の明示は日本が反対していた。
温暖化ガスの排出削減に関して、2035年までに「19年比で60%減」とする目標数値も盛り込んだ。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は産業革命前からの地球の気温上昇を1.5度以内に抑えることで合意している。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は3月に実現には35年の温暖化ガスの排出量を19年比で60%減らす必要があると示しており、これに準拠した。
自動車から出るCO2を巡っては、G7各国が保有する車からの排出量を35年までに00年比で半減できるよう留意するとした。毎年進捗を確認していくことで合意。米英などは明確な目標を求めていたが、一定の柔軟性がある表現にとどめた。
再生可能エネルギーの導入目標も新たに打ち出した。洋上風力発電を30年までに7カ国合計で1.5億キロワットに引き上げるとした。21年実績の約7倍に増やす。太陽光は30年までに10億キロワットとし、現状の約3倍に増強する。
電気自動車(EV)の電池などに欠かせないレアアース(希土類)など重要鉱物ではG7と資源国が連携し、安定した供給網を構築することを盛り込んだ。G7として130億ドル(約1.7兆円)を財政支出し、鉱山の共同開発や使用済み製品から回収・再利用する取り組みを推進する。
海洋プラスチックごみによる新たな汚染を40年までにゼロにする目標でも合意した。
原子力の活用は「原子力エネルギーの使用を選択する国々」と一部の国に限定したうえで「世界のエネルギー安全保障を確保できる手ごろな価格の低炭素エネルギーを提供する可能性を認識している」と表現した。
西村康稔経済産業相は会合後の記者会見で「世界中の国々にはそれぞれの経済事情やエネルギー事情がある。カーボンニュートラルへの道筋は多様であることを認めながら、共通のゴールであるネットゼロをめざすことが重要であると確認できた」と述べた。
会合には日本から西村氏と西村明宏環境相が出席。米国のジョン・ケリー大統領特使、カナダのウィルキンソン天然資源相、インドネシアのアリフィン・タスリフ・エネルギー鉱物資源相らも参加した。
陸上自衛隊の第8師団長ら10人が搭乗した多用途ヘリコプター「UH60JA」が沖縄県・宮古島周辺で行方不明になった事故から10日となる16日、自衛隊の飽和潜水による海底捜索で、機体と隊員とみられる5人が確認された。
16日午前、読売新聞がチャーターした船からは、潜水艦救難艦「ちはや」の艦上で隊員らが作業を進める様子が確認できた。15日は天候不良で作業を中断したが、16日は晴天となり、海上の波も穏やかだった。現場海域に近い池間島の海岸からは午前6時半過ぎから、「ちはや」の艦上で機材を移動させる様子が見て取れた。
チャーター船が「ちはや」の南側約1キロの海上に到着したのは午前9時20分頃。その約30分後の同9時48分、船体中央部に設置された装置に、船体下部から赤いカプセル状の物体がゆっくりと引き揚げられた。ヘルメットをかぶった隊員約10人が作業を進め、カプセル状の物体は午前10時2分に艦内に格納されて見えなくなった。飽和潜水の作業の一環とみられる。
西出さんによりますと、容疑者は当時、西出さんの左前方にいて、何かを投げたのが見えたということです。
当時の状況について「演説の写真を撮ろうと思って前に歩いて行くと、容疑者が何か物を投げたのが見えた。投げた後も、さらに手元で何かをしているしぐさがあったので、無我夢中で押さえ込んだ。去年の安倍元総理の事件が頭に浮かび『まさか』と思いながら取り押さえた」と振り返りました。
また、その際の容疑者の様子について「取り押さえたときも、投げた物が爆発したときも、ことばを発することはなく無表情のままで、抵抗することもなかった。ただ、手に持っていた筒状のものを離さなかったので、私が払い落とした」と説明しました。
そのうえで「もし手に持っていた筒状のものが爆発していたら、けが人が出ていたかもしれない。結果的に爆発せず、けが人も出なかったので本当によかった」と話しました。
15日の夕方には岸田総理大臣から電話があったということで「『本当にありがとうございました』と言われたので、『けが人がいなくてよかったですね』と伝えた」と話していました。
15日午前、岸田総理大臣が和歌山市の漁港を選挙の応援で訪れていたところ、演説の直前に爆発物が投げ込まれました。
岸田総理大臣は現場から避難してけがはなく、警察官1人が軽いけがをしました。
警察は、兵庫県に住む24歳の容疑者を威力業務妨害の疑いでその場で逮捕しました。
調べに対し「すべて弁護士が来てから話す」と供述しているということです。
現場の映像では爆発音が聞こえたあと、白い煙が上がり、1人が警察官などに取り押さえられています。
警察によりますと、岸田総理大臣は現場から避難してけがはなく、30代の男性警察官1人が左腕に軽いけがをしました。
爆発によってけがをしたとみられるということです。
調べに対し「すべて弁護士が来てから話す」と供述しているということです。
捜査関係者によりますと、爆発物とみられる筒状のものが2つ見つかり、1つは現場で爆発したとみられ、もう1つは警察が取り押さえた時に所持していたとみられるということです。
また、警察によりますと、当時の警備は、和歌山県警察本部と管轄する和歌山西警察署の警察官のほか、警視庁のSPが対応していたとしています。
警察は今後、今回の警備態勢などについて検証を行うとしています。
このなかで逮捕された容疑者について事前に警戒する対象ではなかったと明らかにしました。これまでに警察には特段の情報はなく、現場でも容疑者に注意が向いたのは爆発物が投げ込まれてからだったということです。
また、爆発物が投げ込まれた際、およそ200人の聴衆がいて、木村容疑者と岸田総理大臣との距離は、10メートルほどだったということです。
現場では、午後9時ごろから警察による鑑識活動が行われ、10人ほどが足元や付近の壁を懐中電灯で照らし破片などが落ちていないか、状況を確かめたり、位置関係を調べて写真を撮ったりしていました。
警察は不測の事態に備えて規制線をはり、現場周辺に近づけないようにする対応をとっています。
雑賀崎漁港は和歌山市の南西部にある港です。和歌山市のウェブサイトによりますと底引き網漁が盛んだということです。近くには番所庭園という観光地もあります。
岸田総理大臣は、15日は衆議院の補欠選挙の応援のため、午前から昼すぎにかけて和歌山県、午後は千葉県を訪れ、あわせて4か所で演説を行う予定でした。
15日朝、羽田空港を出発した岸田総理大臣は午前10時すぎに関西空港に到着しました。
その後、最初の会場となっていた和歌山市内の雑賀崎漁港に着き、魚の試食を終えて演説を始める直前の11時半前、爆発音が発生しました。
岸田総理大臣は、ただちに別の場所に避難して無事でした。
この集会での演説はとりやめとなりましたが、1時間余りあとの午後0時半すぎには次の会場のJR和歌山駅前に到着し、およそ20分間、演説しました。
その後、関西空港から羽田空港を経て千葉県に入り、衆議院千葉5区の補欠選挙の応援のため、浦安市と市川市で演説を行いました。
そして、午後8時半すぎに総理大臣公邸に戻りました。
岸田総理大臣は、16日も補欠選挙の応援演説を行うことにしています。
岸田総理大臣は15日夜、みずからのツイッターに「本日も最後まで演説に立つことができたこと、警備に当たって頂いた皆さん、関係者の皆さん、集まってくださった皆さん、そしてご心配と応援してくださいました全ての皆さんに感謝申し上げます。この大切な選挙を皆さんとともに守って参ります」と投稿しました。
一方で、夜中に父親とみられる男性の大声がして警察が来るトラブルも何度かあったということです。女性は「お兄ちゃんは父親によく怒られていて抵抗することなくおとなしくしていた」と話していました。
また、娘が小中学校時代に同級生だったという母親は娘に聞いた話として「木村くんは小学校時代はおふざけキャラで、にぎやかで明るい性格だった。しかし、中学に入ってとたんに何もしゃべらなくなり、“陰キャ”になった。理由はよく分からない」と話していました。
中学生の時の木村容疑者の印象については、「朝早い時間に学校に来て、机にもたれかかるようにうつぶせの状態でひとりで寝ている姿を何度か目にしたのを今でも覚えています。おとなしく真面目で、いつもひとりでいる印象でした」と話していました。
木村容疑者の小学生時代を知る50代の女性は「小学生のころはとにかく明るくて元気な子というイメージしかないです。私の息子と木村容疑者の兄が同級生でよく一緒に遊んでいました。こんな事件を起こす子ではないと思うので、とても驚きました」と話していました。
映像からは、集まっていた人たちが、走って避難するのが確認できます。男は、現場にいた警察官と見られる複数の男性に取り押さえられています。
また、パトロールカーが駆けつけているのも確認できます。
当時の現場の映像では男の容疑者は若く見え、取り押さえられた際、めがねとマスクをつけ、グレーのリュックサックを背負っていました。
聴衆の中で、銀色の筒状のものを持ち、ライターに火をつけるような手の動きをしていました。
現場から悲鳴が聞こえた直後、容疑者は現場にいた複数の男性に取り押さえられました。
何かが投げ込まれて爆発したとみられるということです。
NHKの映像では、現場では白い煙が上がり、1人が警察官に取り押さえられています。
そのうえで「こうした暴挙によって選挙での訴えを妨げられるわけにはいかないので、午後は予定どおり演説を行うことに決めた」と話していました。
容疑者が取り押さえられた時、1メートルほど離れた位置で見ていたという40代の男性は「誰かが何かを投げたと聞いて、『ん?』と思ったらもう取り押さえられていて、その10秒後くらいに爆発音があった。体の上には10人くらいが乗っていた。そして、容疑者が引きずられていったあと、その場所に爆弾のようなものが落ちていた。現場では悲鳴も上がっていたし、警察に避難してくださいと言われて避難した」と話していました。
また、現場を目撃した市議会議員は「自分の2メートルほど前に筒状の銀色のものが飛んできた。それが煙を噴いて、岸田総理はSPにかばわれるようにして現場から離れた」と話していました。
現場の近くにいた30代のタクシードライバーの男性は「突然、会場が騒がしくなり、「待て」という声が聞こえたあとで、ボンという大きな爆発音がしました。そして、白い煙が上がりました。その後、警察官が爆発物がないかどうかを調べるために、現場に規制線を張り始め、あたりは騒然としていました」と話していました。
女性は「たくさん人がいると思いましたがSPがたくさんいたので大丈夫かと思いました。こんなことがあると、演説を聴きに行くのも怖くなってしまいます」と話していました。
演説を見に来ていた近所の女性は「投げ込まれたのは円柱状のもので、煙が出ていた。投げ込まれて20秒後くらいたって地響きするくらいの大きな音がした。投げ込んだのは20代から30代くらいで周りの観衆が取り押さえたが、されるがままでずっと無言だった」と話していました。
当時、岸田総理のそばにいた雑賀崎漁業協同組合の濱田光男組合長は「自分たちの方に向かって、男が、長さ30センチくらいの筒状のものを投げ込んだのを見た。筒が地面に落ちたあとに白い煙が立ち、花火のような火薬のにおいがして爆発物だと分かった。誰かが『爆弾だ』と叫ぶ声も聞こえたのですぐにその場から逃げた。男が投げてから30秒ほど後にどーんと音がして爆発した。ふだん治安のいい場所なので、こんな事件が起きてびっくりした」と話していました。
政府関係者によりますと、岸田総理大臣は、容疑者を取り押さえるのに協力した一般人の男性2人に対し、15日午後、直接、電話をかけ、勇気をたたえるとともに感謝の意を伝えたということです。
テロ対策に詳しい、公共政策調査会研究センター長の板橋功さんは「いろいろな権限を持つ現職の総理大臣をねらった犯罪ということで、非常に大きい出来事だ。安倍元総理の銃撃事件以降、要人警護はより強化されていて、制服警官もかなり配備されていた。爆発した時点では総理は避難していて、迅速な対応がとられたと思う。ただ、有権者と政治家の距離が近づく選挙の警備は難しい。来月にはG7サミットも控える中、統一地方選挙で事件が起きたことは重く受け止める必要があり、選挙での警備のあり方を改めて考える必要ある」と話していました。
銃撃事件について当時の警備を検証した報告書では、重大な結果を招いた最大の問題は、元総理大臣の後方の警戒が不十分で、容疑者の接近を許したことだと指摘し、その要因として、演説の直前に警察官の配置が変更され、前方の警戒に重点が置かれることになりながら情報共有されなかったうえ、手薄になった後方を警戒する警察官を補強するなどの指揮がとられなかったことなどを挙げています。
また、奈良県警が作成した「警護・警備計画」について、過去のものを安易に踏襲したことで後方の危険性が見落とされるなどしたうえ、十分な数の警察官を配置しておらず、指揮官の役割も明記されていないなど、不備があったとしています。
「警護・警備計画」について、警察庁はそれまで地元の警察に作成を委ねていたほか、総理大臣や国賓などを除き事前の報告を受けておらず、危険性などを判断する仕組みになっていなかったとしてこれを改めるとしました。
具体的には、警護の基本事項などを定めた「警護要則」をおよそ30年ぶりに刷新し、「警護・警備計画」の基準を示して、地元の警察がこの基準に従って計画を作成できるようにしたうえで、警察庁が「警護・警備計画」の報告を受け修正点などを指摘できる仕組みを導入しました。
このほか、上空から状況を把握するためのドローンの活用や、要人の周囲への防弾ガラスの設置など、新たな資機材も導入することにしています。
この中で、松野官房長官は「岸田総理大臣や聴衆にけがはないと報告を受けているが、選挙は民主主義の根幹をなすもので、今回のような暴力行為は断じて許されない。警察庁に対しては、要人警護の徹底を図るよう指示した」と述べました。
そして、岸田総理大臣が応援演説を続けると判断したことについて「選挙は、暴力によって威嚇されたり阻害されたりすることがあってはならない。その中での岸田総理大臣の判断だと思う」と述べました。
また、爆発音があった和歌山市の漁港での警備や警護の態勢について、このあと谷国家公安委員長が説明することを明らかにしました。
警察庁によりますと、統一地方選挙や衆参の補欠選挙が行われる中で現職の総理大臣をねらった事件が起きたことを受け、全国の警察に対し、応援演説などの現場での要人警護の態勢を強化するよう指示したということです。
このうちイギリスの公共放送BBCは、現場からの映像とともに日本のニュースを引用するかたちで速報し「日本で暴力的な襲撃事件が起きるのは非常にまれだが、安倍元総理が銃で撃たれて死亡して以降、政治家の身辺警護には神経をとがらせている」と伝えました。
またフランスのAFP通信は「日本中に衝撃を与え、要人の警備体制の見直しを迫った安倍元総理の暗殺事件から1年もたたないうちに事件は起きた」と伝えています。
さらにアメリカの通信社、AP通信は、安倍元総理の事件を受けて警備が強化されていたにもかかわらず今回の事件が来月、G7広島サミットを控える中で起きたことを衝撃をもって伝えています。
自民党の茂木幹事長は昼すぎにコメントを発表し「民主主義の根幹をなす選挙期間中にこのような暴挙が行われたことは、極めて遺憾であり、強く非難する」としています。また「先ほど岸田総理大臣と話をしたが、けがはないということだ」としています。
自民党の菅前総理大臣は訪問先の山口県宇部市で「非常に驚いた。民主主義の原点でもある遊説中に、このようなことは絶対にあってはならないし、厳しく批判したい。絶対に暴力に負けてはならず、民主主義の原点を忘れず、自由で制約のない体制の中でしっかり国民に主張していくことが大事だ」と述べました。
自民党の小野寺・元防衛大臣はNHKの取材に対し「民主主義の根幹である選挙に対する妨害行為であり、絶対に許せない行為だ」と述べました。
自民党の世耕参議院幹事長は、NHKの取材に対し「会場でけが人の報告がないことに安どしている。岸田総理大臣はこのあとの演説は予定どおり行うと聞いている。選挙運動期間中のこのような危険な行為を断固非難する」と述べました。
立憲民主党の逢坂代表代行は、NHKの取材に対し「岸田総理大臣をはじめ、けが人が出なかったようで安どしているが、言論の自由を暴力で弾圧しようとすることは絶対にあってはならない。強い憤りを覚える」と述べました。
立憲民主党の西村代表代行は、NHKの取材に対し「断固として許すことはできない。今後の活動にも支障が出てきかねず、言論でたたかう民主主義にとって大きなダメージにならないようにしないといけない」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、NHKの取材に対し「とにかく岸田総理大臣が無事でよかった。選挙中に街頭演説をしている政治家を暴力で襲うことは、民主主義への挑戦で、どのような理由であれ、許されることではない。今回の状況の説明を聞いて、自民党ともよく意見交換したい」と述べました。
立憲民主党の大串選挙対策委員長は、NHKの取材に対し「民主主義に対する深刻な威迫であり、断じて許されない。状況を見極め、候補者や集まる方々の安全などにも十分配慮しながら活動を行っていく」と述べました。
日本維新の会の藤田幹事長は、NHKの取材に対し「暴力による民主主義への挑戦は断じて許されるものではない。その場に居合わせた関係者や有権者の無事を祈っている。党としては、今後、警戒を強化した上で、選挙活動を続けていく」と述べました。
公明党の山口代表は、NHKの取材に対し「去年の安倍元総理大臣の銃撃事件から1年もたたずに、爆発物を使った事件が起きたことに驚きを禁じえない。選挙期間中に、有権者に訴えるという民主主義の基本的な働きを妨害しようという行動は断じて許されない。今後このようなことが二度と起きないよう徹底し、警戒してもらいたい」と述べました。
共産党の小池書記局長は、NHKの取材に対し「心から憤りを覚える。選挙という大事な民主主義の場に暴力を持ち込むことは断じて許されず、最大級のことばで非難する。暴力に屈することなく、正々堂々と政策を訴えていく」と述べました。
国民民主党の玉木代表は、NHKの取材に対し「岸田総理大臣が無事でよかった。今後の選挙活動に萎縮が生じる可能性もあり、民主主義を根底から揺るがす行為で、断じて許されない。犯行動機の解明を進めてほしい」と述べました。
れいわ新選組の山本代表は、NHKの取材に対し「大きなけがもなく、ホッとしている」というコメントを出しました。
和歌山県の岸本知事は県庁で報道陣の取材に応じ、「民主主義で最も大事な選挙期間中にこの和歌山で大変な暴挙が行われたことに怒りを感じるともに暴力に屈してはいけないという強い思いを持った。犯人には怒りを隠しきれない。岸田総理や地域住民にけががなく、胸をなでおろしている」と述べました。
事件を受けてEU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領はツイッターに投稿し「民主主義に暴力が存在する場所はない。私の友情と支援の気持ちを文雄さんに送ります。あなたが議長を務めるG7広島サミットを楽しみにしています」と親しみを込めて岸田総理大臣の名前を呼び、事件を非難しました。
先月、岸田総理大臣と会談したインドのモディ首相は、ツイッターに「私の友人である岸田総理が出席していた和歌山のイベントで、暴力的な事件が起きた。彼が無事で安心した。インドはすべての暴力行為を非難する」と投稿しました。
名古屋から訪れた女性は、「びっくりしました。前の安倍総理大臣が撃たれた事件を思い出しました。まねをする人がいるとしたら怖いです」と話していました。
福岡から訪れた男性は、「サミットの時に同じようなことが起こってしまったら、大変なことになると思うので、警備を手厚くしてほしいと思いました。なるべく危険の無いように手荷物とか検査してほしいと思います」と話していました。
被爆者の男性は「大変なことが起きた。非常に許しがたい。岸田総理大臣は、地元の出身でしかもサミット直前で議長国でもあるし、あってはならないことだと思う。怒りを覚えます」と話していました。
また、広島市中心部の商店街では、地元の人たちから「サミットが無事に終わればいいなと思います。いま警察官がたくさんいますがだいたい想定外のことが起きるので、防げるかわからない」とか「悲しいことだしこういう事件を無くしてほしい」といった声が聞かれました。